人気ブログランキング | 話題のタグを見る

病院について、まじめに物申す。

どうもです。
昨年の入院日記の続きです。

前回の半年ぶりの更新で、美構図のweb masterさんが気を遣ってくださり、ご親切にトップページで「久しぶりの登場の・・・!」と私のコラムを華やかにご紹介してくださっていたのに、全く華やかでない「入院日記」が続く今日この頃(苦笑)。しかも、肝臓病の話。このギャップがたまらん(笑)。



今思うと、院長先生が気を回して、血液検査をしてくれてなかったら、きっと原因がわからず、もっとわるくなっていただろうと思う。感謝している。

医学素人の患者が自分の病気ついて、「たぶん、この症状の出方から察するに、肝炎だと思うので、血液と尿の検査をお願いします。」なんて言えるはずもなく、「痛い」「辛い」という感情と、「気持ち悪い」という自覚症状を伝えるのが精一杯。
病気になったときには、全面的に目の前のお医者様に頼るしかないのだ。

話は少しそれるが、私はそれを母の死のときに痛感した。

唯一の家族であった母をガンで亡くし、もう身内がいないことは前にも書いたが、当時は母はとある大学病院の、その病院では古株の教授先生に診てもらっていた。

もう1人、別の放射線治療の先生も母を診ていてくれており、その先生は非常に親身になって相談を聞いてくれたり、アドバイスをしてくださっていたのだが、入院後は残念ながら大学病院側の判断で、(病院内では格が上なのか)前者の教授が母の担当医となってしまい、放射線の先生とはお会いできなくなってしまった。

母が亡くなったのが10月末、最後に大きな検査をしたのは、その年の3月末だった。
実は入院後に始めて見せてもらった3月末の検査結果で1点、ちょっと気になる数値があった。

後に病院側は言葉を濁すようになったが、最初はハッキリと「ちょっと気になってはいたんですよ・・・」ともらした。
それを病院側は「検査するまでの数値ではない」と判断し、特に再検査をしなかったのだ。
繰り返すが、医学素人の患者は、何が悪いのか?、何をしたら良いのか?、検査がいるレベルなのか?、そんなことは分からないのだ。

私は、聞いた。
「なぜそう思ったのなら、検査を母に勧めなかったのか」、と。

答えは、「検査にもお金がかかりますので、患者さんにやたら勧めることは・・・ちょっと・・・控えさせていただいている」。

アホか。
1万、2万程度の検査で命にかかわることが分かるんだったら、誰がケチるか。くだらん。

この話がきっかけで、この教授に私は不信感を抱き、以後、教授、看護婦長なども巻き込んで、私はこの病院と戦った。

そんなことでいいのか?、と。
10年近くもの間、ガンで定期的に必ず診断に来ていた母の行為を無にしているではないか、と。

患者が自覚症状をもったときには時すでに遅く、その事前で数値とか検査とかで食い止めるのが医学を学んだあなた方の使命ではないか、と。

そんな気持ちで患者を診断する程度なら、いくら教授であろうが、いくら偉かろうが、医者という冠をつけて患者の前に出る資格は無い、とまで言ってやった。

教授とは連日連夜話をし、他の医者にも話をし、看護婦長にも話をした。
別に難しい話をしているわけではない。
「あの時」の判断を見誤ったならば、言い逃れをせずにそれを認めろ、それだけだ。10年信じて通った母に謝罪と説明をして欲しかった。
病院のメンツか?、地位か?、名誉か?、賠償金のことか?、何を気にしていたのか知らんが、「言い逃れ」だけは認めない、絶対に。

謝って済む問題では全く無いが、最後の最後まで理由も原因を分からず、「なぜこうなったのだろう・・」と無念に母がこの世を去っていくのは、娘の私としても、彼女としても納得がいかなかっただろう。

結果的には、母の衰弱のほうが早く間に合わなかったが、亡くなる数週間前に病院としては異例に教授を担当医からはずし、別の担当医をつけるという処置を取らせるまで論争を激化させた。

私も大学で法律をかじったはしくれとして、医療裁判がいかに難しく、手術ミスなど決定的な証拠が無い限り勝てないかは分かっていたので、裁判にこそしなかったが、弁護士も雇い、母の死後も教授と会って、話し合いを繰り返していた。

大きい病院は嫌いだ。
人を肉の塊としか見ていないのではないかとすら思う。
命のような、小さいのに何よりも大切なモノを扱うには、大きい病院は大きすぎるのだ。いくら医療設備が整っているとしても。



話を元に戻す。

私は院長先生がとっさに風邪ではない別の病気の疑いをかけて検査をしてくれたおかげで、結果的に、肝臓の数値が健康時の数十倍も高くなっており、吐き気も熱もここから来ていることがわかった。

ここの病院の血液検査は、検査会社に出しているので、翌日に結果が判明する。
まさか緊急入院と言われるなんて夢にも思わず、その日は家に帰った。

翌朝、早朝から1本の留守番電話が入っており、聞いてみると病院からだった。
内容はこうだ。「昨日の検査結果が出たのですが、相当悪いので、至急病院に来てください。」

今でもその留守電を聞いたときのゾクゾク感を覚えている。
こんな最悪の留守電を聞いたのは、初めてだ。
直に電話を受けるよりたちが悪い。
家から病院までの10分間、「相当悪いので・・」がエンドレスで頭の中にこだました。
相当体調も悪かったが、それ以上に心の状態が悪くなった。

病院に着いた私は、きっと今にも泣きそうな顔をしていたと思う。
院長先生は丁寧に検査結果と、どうして入院しなければならないかを説明してくださり、今日からでも入院して治療を開始するように言われた。

私は、入院したくなかった。
仕事が忙しかったのもあるが、病室で独りぼっちは絶対に嫌だった。
そして、何よりも、母の闘病中の風景がトラウマになっていて、病院は違えど「病室」という」ものに足を踏み入れたくなかった。

先生は再三説得をしてきたが、私はギリギリまでねばって、通院を申し出た。
実際、結果が出て入院するまでの数日は、1日点滴を2本(約6時間)を受けて、家に帰るという生活を送っていた。

自分でも分かっていた。
わがままが通せぬほどに、かなり体調が悪くなっていたので、「もう入院するしかないな・・・」と。

が、万が一、通院による点滴で回復の兆しが見えてきているのではないかと考え、11 月の終わりに院長先生に申し出た。
「もう一度血液検査をしてください。その結果が前回よりも悪かったら、おとなしく入院します。」

結果は、「おとなしく入院することになった」。
病院や家の行き来でカラダを動かしているので、結局回復はしていなかった。

2002年11月28日、私の緊急入院が決定した。
入院見込み期間は、初見で約2ヶ月。気が遠くなるような宣告だった。






■今日のカメ


◆朝食です。
病院について、まじめに物申す。_f0232060_14132844.jpg
ここの病院の食事はお世辞でなく、かなり美味しかったです、今思うと。
学食のような濃い味付けで、病院食にありがちな、薄い、まずいはなかったです。量も割りとありました。

朝は、6時に注射で起こされた後、7時半にご飯です。
朝のメニューは、ジャムを塗ったホットサンド、牛乳、煮物、フルーツです。
数十年ぶりに、毎朝、ビン牛乳を飲む生活をしてしまいました。キャ、新鮮!



◆夕食です。
病院について、まじめに物申す。_f0232060_14135039.jpg
ウイルスの侵入で肝臓の数値が高くなっていたため、「肝栄食」という肝臓に良い食事が出されていました。

肉はほとんどなく、基本的に煮魚、卵、豆腐がメインでした。味が濃かったことが幸い。

ところで、入院していて、ずっと感じていたんですが、なんで病院ってまずそうな(苦笑)食器に盛るんでしょうね・・・。食器が変わっただけで、だいぶ雰囲気変わるはずなんだけどなぁ・・・。


◆お菓子たち
病院について、まじめに物申す。_f0232060_1414575.jpg
入院後、2週間ほどはこんなご飯たちも完食できないほど、衰弱していたのですが、3 週間目あたりから、元気を取り戻し、3食の病院食では足りなくなりました。で、これの登場。みんなに買ってきてもらったり、こっそりコンビニで買ってきたり(笑)。夕食が早いんで、夜に腹が減るんですよ。
by meshi-quest | 2003-06-03 14:12
プロフィール
ゲームプロデューサー
成沢 理恵
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズで知られる㈱スクウェア・エニックスを経て、 現在、ちゅらっぷす株式会社取締役、兼、ゲームプロデューサー。

ヒマさえあれば、国内、海外を食べ歩き、遊び歩く、生粋の遊び人。

その経験は、ゲームづくりにも活かされている、はず……。
以前の記事
カテゴリ
お知らせなど
検索
タグ
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
最新の記事
六本木「atelier 森本..
at 2024-03-28 08:08
神宮丸太町「cenci (チ..
at 2024-03-27 08:08
赤坂「赤坂 おぎ乃」へ行く。
at 2024-03-26 08:08
表参道「メゼババ」へ行く。
at 2024-03-25 08:08
吉祥寺「中華街」へ行く。
at 2024-03-24 08:05
代々木上原「Japanese..
at 2024-03-23 08:04
高円寺「シャン寿司」へ行く。
at 2024-03-22 08:07
西荻窪「CICLO チクロ」..
at 2024-03-21 08:08
御成門「XEX sushi ..
at 2024-03-20 08:06
花修行~「赤坂おぎ乃」さんの..
at 2024-03-20 08:05