セブ島へ行く。⑮ ~豚の丸焼きとガラディナー~
「ガラディナー」
今回のセブの旅で、もっとも印象に残った言葉である。
「言葉」というより、「システム」なのかもしれない。
何度も海外へ旅行をしているが、今までこれに出くわしたことがなく、今回初めて知った。
ちょっと、出国前の話にさかのぼる。
今回、年末年始の旅行なので割高になることは、ある程度、覚悟していた。
旅行代理店から旅費見積書の中には、「ホテルの年末年始特別料金」「帰国日特別代金」・・・など、通常日程での旅行では加算されない色んな料金が入っていたのだが、その中に、「ガラディナー追加料金」という名目のものが入っていた。
しかも、1人に付き1万円もする。
「ガラディナーって、何ですか?」
「ガラディナーは、クリスマスシーズンの24、25日、年末年始の31日、1日に滞在される方に出されるホテルの特別ディナーの料金になります。」
「なるほど・・・。でも、こんな高いディナーはいらないので、はずしてください。」
「申し訳ございません。これは、この期間中に、特定の地域に滞在される方は、どのホテルに泊まろうが強制的に料金が発生するもので、食べなかったとしても、お支払いただかないといけないのです。」
「え~!!!!!」
と、まぁ、こういう訳である。
フィリピンだけでなく、少なくとも私が渡航先として検討していた、マレーシア、バリ島、ベトナムも後で調べてみたら、このシステムになっていた。
さて、話を戻して、滞在していたPulchraでは、12月31日の夜に、その「ガラディナー」が行われた。
ガラディナーの内容は、ホテルによって異なるようだが、Pulchraで行われたガラディナーはこのようなプログラムになっていた。
下記、12月31日に宿泊者に配られたガラディナープログラム(しおり)より。
■Pulchraガラディナー「Kasadya Sa Pulchra 2009-2010」
*「Kasadya」(カサジャ)はセブアノ語で「幸せ」という言葉だそうです。
PM7:00
ライブミュージックと共にビュッフェディナー
PM8:00
「Palo sebo」(パロセボ)
*「パロセボ」とは、オイルをふんだんに塗った竹棒を登る競技で、集落単位の古くから行われていたお祭り。観客は、3色に分かれた青年が登り、どの色が1位になるか予想をする。
PM8:15-9:45
フィリピンのダンス鑑賞
PM11:45
祝杯と花火観賞のため、ビーチ集合
PM11:59
カウントダウンスタート
AM0:00
Pulchraビーチから打ち上げ花火と共に新年の乾杯
詳細は、「今日のカメ」で見ていただくとして、ざっと感想を書かせてもらうと、まず、食事自体は、正直1万円の価値はなかった。
種類、味、内容含め、普通に朝食で出るようなビュッフェレベル。
日本でいう「おせち」だと思うので、やたら期待をしたのだが、がっかり。
ただ、前に「今回のフィリピンの旅で美味しいと思えるものに出会えなかった」と書いたが、これはちょっと訂正をさせてもらって、ガラディナーに出た豚の丸焼きだけは、最高だった。
「豚の丸焼き」なんて、今までテレビのドキュメンタリー番組かゲームの中でくらいしか見たことがなかったが(笑)、生まれて初めて豚の丸焼きを見て、実際に食べてみて、「こりゃ、美味いわ」と思った。
豚の臭みや脂っこさはなく、ジューシーで柔らかい鶏肉のような感じ。
ガラディナーでは、コレばっか食べていた(ワンパターンなので)。
パロセボの竹棒を登る競技は、地元の青年が3人登場し、観客が1位になると思う人の色の旗をテーブルに掲げて、応援をするのだが、子供たちが盛り上がっていた。
1位の予想が当たった商品もお菓子の詰め合わせなので、子供向けのイベントと思われる。
ちなみに、プログラムに「竹棒にオイルが・・・」と書かれており、途中、何度かズルッと竹から落ちそうになるシーンがあったりして、観客が盛り上がっていた。
どうなっているんだろうと、実はこっそり竹棒を見に行ったのだが、オイルは塗られておらず(笑)、おそらく、あれは観客を盛り上げるための演技だったようだ。
そりゃ、竹棒転落で大惨事なんてホテルで起こせないもんなぁ・・・(苦笑)。
中盤のフィリピンのダンスはイマイチだった。
というのも、ダンスの専門の人ではなく、どうやらこの時期にだけバイトで踊るような地元の人が来ていたのか、段取り悪く、着替えの様子や出番を待っている時に談笑している感じも観客から見えてしまったりしていて、正直、つまらなかった。
実は、夜釣りでマークフィッシュが釣れた報告をさせてもらったが、ちょうどこのダンスの時間に抜けて、釣りに出掛けていたのだ(笑)。
釣りの方が面白かった。
最後の花火。
これは、ホントに凄かった。
「打ち上げ花火」とサラッとプログラムには書かれていたが、夏に日本で隅田川花火大会とかでやるような規模の大きな花火連発が、ホテルの宿泊者数十名だけのために、行われた。
しかも、打ち上げのほぼ真下くらいで見れるので、花火の大きさ、音、もうとにかく凄くて、キレイだった。
こんなにキレイで、大きくて、贅沢に花火を鑑賞できるなんて、もう後にも先にもないんじゃないか、と思う。
初めて年末年始を海外で過ごしたのだが、面白い経験と、良い新年を迎えさせてもらった。
ガラディナーの1万円は、豚の丸焼きと、花火観賞に払ったと思えば(笑)、大満足であった。
■今日のカメ
■レストラン入口(昼)
12/31当日、ガラディナーの会場となるレストラン「Ventus」入口に、グリーンバナナとヤシの実で飾り付けがされていました。
■レストラン入口(夜)
ライトアップされていました。
■会場の様子
ガラディナー用に飾り付けがされていました。奥がビュッフェ。開始30分前くらいだったので、まだ人がまばらです。
■私の席
早めに着いたので、前から2列目の席になりました。
■プレゼント
ガラディナー参加者1人に1つカゴに入ったプレゼントが配られました。
■ガラディナースタート
ホテルスタッフのお兄さんとお姉さんが司会をするアットホームなガラディナーがスタート。
■ライブミュージック
フィリピンの民俗音楽かなとちょっと楽しみにしていましたが、ビートルズとカーペンターズでした(笑)。孤島で聴いたビートルズよりは上手でした。
■ディナービュッフェ
ガラディナーなのに、この写真に写っているのがすべてくらいの規模の小さいビュッフェでした。もっと種類は増やしてほしいところです。
■豚の丸焼きコーナー
豚の原形があるうちに・・・と急いで写真を撮りに行きました。スタッフの人が豚を切り分けてくれます。
■正面から見た感じ
本当に、豚が丸焼きになってました。これを焼くのに約1時間かかるそうです。
■上から見るとこんな感じ
脇腹から切り分けています。
■30分後の豚の丸焼き
両脇がそがれ、顔以外の原形がなくなっています(苦笑)。
■前菜コーナー
魚介のマリネやキッシュなど、前菜が数種。
■焼きそばコーナー
フライパンがあって、色々作ってくれるのかと思ったら、焼きそば1種のみ(苦笑)。しかも、かなりこのスタッフが手間取っていて、後ろに長蛇の列が。
■焼き鳥コーナー
全体的に出している量も少なく、料理の補充も遅かったです。
■13種の果物の飾り
セブでは、たくさんの果物を飾ると一年中裕福で神の恵みを受けられる、と言われているそうです。
■果物コーナー
13種の果物が出るのかと期待していたのですが、実際ビュッフェで出たのは、パイナップル、マンゴー、グレープフルーツの3種だけ(苦笑)。
■取ってきたもの①
前菜、焼き鳥、チャーハンなど。
■取ってきたもの②
肉の甘辛煮(?)と、白身魚のクリーム煮。
■取ってきたもの③
豚の丸焼きです。甘いたれにつけて食べるようですが、タレなしの方が個人的には好きです。これは、美味しい!
■取ってきたもの④
焼きそばです。
■取ってきたもの⑤
デザートです。
■Palo sebo(パロセボ)
レストラン前のプール挟んだ対岸に3本の竹棒が立てられていて、そこに3人の青年が緑、青、黄色の鉢巻をして並んでいます。
■パロセボの様子
途中までダントツ1位だった青が急に落ち始め、最終的には左端の緑が優勝。子供は大はしゃぎで喜んで応援していました。
■フィリピンダンス①
頭に大小の赤い入れ物を乗っけたお姉ちゃんが出てきて踊るダンス。
■フィリピンダンス②
黄色い衣装のカンフーのような動きをするお姉ちゃんのダンス。
■フィリピンダンス③
お姫様と召使(?)のダンス。よく分からず(笑)。
■花火①
ビーチでシャンパンが配られ、花火を鑑賞します。奥の光っているところが、打ち上げ場所なので(桟橋のところ)、至近距離であることが分かると思います。
■花火②
すごいキレイな花火でした。30発以上あがっていたと思います。
■花火③
火事か?と思うほどですが(笑)、望遠使っているわけでもなく、普通のデジカメで、普通に撮って、このくらいで写る距離です。
■花火④
フィリピンの花火って、どんなだろ?と思いましたが、花火は花火というか、日本でよく見るお馴染みの形や色でした。花火は撮るの難しいです。うまく撮れない。見るのが一番。
■プレゼントの中身
ガラディナーでもらったカゴの中身は、ホテルオリジナルの卓上カレンダーと、絵はがきと、この白いポロシャツでした。
■ポロシャツ①
真っ白ですが、右肩後ろに花のワッペンが貼ってあります。
■ポロシャツ②
袖口には、Pulchraのロゴマークの刺繍入り。