なぜ、「コスモぐらし」を作ろうと思ったか?
「コスモぐらし」(以下、略称「コスモぐ」)の紹介をしていただいているテレビ朝 日毎週日曜日6:58~の「バブーファクトリー」という番組だ。
近日中に放映される予定なので、朝がちょっと早いが、お時間がある方はぜひ観て いただけば幸いだ。
取材を受けていて、なぜコスモぐを作ろうと思ったか?、コスモぐを作るにあたって どういうことにこだわったか?など、そんな話をしているうちに、自分を見つめる良 い機会となり、久々にこのコラムでも仕事の話がしたくなった。
思い立ったら吉日、思ったときが書き時なので、早速原稿を書いている。
普段の私はこのコラム上であまり仕事の話をしない。
それは、今私のしているプロデューサーという仕事は自分の思想に関わっており、私 の思考の方向性、成沢という人間を知っていないと理解できないこと、もしくは、い らぬ誤解を招いてしまう可能性があるので、十分な環境でちゃんと面と向き合って話 をしたいと思っているからだ。
きっとゲーム業界ってどうなっているんだろう?と知りたい方もいっぱいいらっしゃ ると思うし、もっと仕事の話をしようと思うんだが、いざ原稿を書こうと思うと、手が躊躇する。
その時点で、成沢の素直な声を伝えることができなくなってしまっていると感じるので、書こう書こうと何度もトライしたりもするのだが、その度に挫折し、いつものお気楽 極楽コラムになっているのが現状だ(苦笑)。
個人的な見解やその時々に感じたことをサクッと書いてもいいのだろうが、表があれば裏があるように、楽しいことには裏に書ききれないほどの苦労があり、苦労の裏には、私のつたないコトバでは伝えられないほどの喜びがあふれている。
同様に、つらいことを1つとっても、私側から見たつらさもあれば、相手側から見たつ らさもきっとある。
私はたまたまこういう場をいただき、発言の場をありがたく頂戴しているから良いが、相手にはその場がないとしたら、フェアではない。
とにかくちゃんと話がしたくて、ちゃんと聞いてほしくて、ちゃんと議論したい。
伝えるならばちゃんとすべてを伝えたい。
そんな思いが強いので、なかなか仕事のことをお伝えできずにいる。
なので、別にやましいことがあるわけでも、口止めされているわけでも、隠し事が あるわけでもなんでもない。
いつかどこかで皆さんにお会いすることがあったら、その時にはちゃんと面と向き合 っていくらでも話をしたいと思う。
よく「お仕事は楽しいですか?」と聞かれる。
私はいつもこう答える。
「楽しくはありません。だけど、面白いです」と。
決して、「楽」ではない。
精神的にも肉体的にもキツイ。
気も使うし、体力も消耗する。
いくら自分の好きなことを仕事にしているからと言っても、人間やはりダメージは 蓄積する。
ボロボロの時も数え切れないほどたくさんある。
でも、「面白い」。
悔しいけれど(苦笑)、面白い。
だから、気力も体力もすり減らしても続けていけてるんだと思う。
さて、本題、取材でも聞かれた質問。
「なぜ、コスモぐらしを作ろうと思ったか?」
取材ではあまり時間がなくてちゃんと答えられなかったかもしれないので、この場 を借りて。
なぜか?
それは、【ゲームの中で人と一緒に暮らしているゲーム】が作りたかったからだ。
単にたまたま他人とその場に居合わせたとか、たまたま同じパーティーで戦闘をした とか、たまたま他人と同じ場を共有しているとかではなく【一緒に暮らしている感じ】、これが出したかった。
「ゲーム内で人と暮らす」。
自分の育てた野菜を路上でお客に売ったり、隣に新しい人が引っ越してきたり、自分の家に友達が遊びに来たり、遊びに来てくれた友達に自分の育てた野菜で料理を 振舞ったり、毎日世界は続き、だけど日々世界は変化している。
剣と魔法の世界ではない、ほのぼのとした農家たちの世界。
剣はクワに持ち替え、魔法は畑に撒く肥料(笑)。
自分で言うのもなんだが、非常に生活感にあふれている異色なネットワークゲーム だと思う。
私は、今のコスモぐが企画書上の紙の世界だった頃からずっと見ているので、ゲーム内の何もなかった大地に木が生え、湖ができ、村ができ、建物がたち、多くのユーザーの皆様が入ってきてくださって、家を建てたり、畑を耕したりして暮らしながら、ゲームを楽しんでくださっている姿 を日々嬉しく思っている。
日々、「楽しかったよ」とのありがたい声や励ましの声、「こんなことをしてほし い」というご要望の声、時にはお叱りをいただいたり、いただいたご意見は、コスモぐらしスタッフ一同ですべて見させていただいている。
皆様の声を取り入れ、より住み良い世界づくり、農家たちの楽しい暮らしを作ってい きたいので、毎日のようにスタッフで打ち合わせをし、時には深夜まで議論を続けて、ああだこう だ言いながら、今もどんどん世界の拡張を続けている。
私がまだゲーム会社に入る前、ただの普通のゲーム好きユーザーだった頃、こうだったら良いのに・・と思うことがあったが、ゲーム会社に入り、ゲームの仕組 みが分かるようになってからは簡単に思えることが意外と簡単にいかなかったりすることが多々あることが分かった。
なので、メールなどでコスモぐ農家の方から「こんなものを作ってください」など御 要望をいただいて、「なるほど。こうしてあげたいなぁ」と思うことがあっても、な かなかすぐにできないこともあり、申し訳ないと思うことも多々あるが、スタッフ一 同、コスモぐ農家の皆様の世界をどんどん楽しくしていくよう毎日日夜頑張っている ので、そのことは少しでも伝わるといいなぁと思う。
世界を作るのは、スタッフだけではない。
コスモぐ農家としてユーザーの皆様が一緒に暮らしてくださり、色々とご意見をく ださるからこそ、スタッフもどんどん楽しい世界を作っていこうとしている。
あえてカッコイイ言い方をすれば、1つの「歴史」になっていければ嬉しい。コスモぐ という、とある世界の歴史。
村が町に発展し、町に新しい建物がたったり、新種の野菜が開発されて、そこから 新しい料理が開発されたり。
コスモぐはこれからもどんどん進化し続け、スタッフ一同も楽しいことをたくさん考 えているので、楽しみにしていていただければと思う。
実は、私もユーザーの皆様と一緒に、コスモぐらし内のとある惑星で農家として暮ら している。
残念ながらキャラクター名は明かせないが、宇宙野菜「穴ほうれん草」を育てるほ うれん草農家だ。
先日、近所に大農家さんが引っ越してきて、親切にもその方が野菜の種を分けてくれ たり、野菜を使った料理や家に飾る家具とかをくれるので、にわかに家がホクホクしてきた (笑)。ありがたや。
仕事の合間などにゲームに入ってはその農家さんとおしゃべりを楽しんでいる。
今日も夕方あたりに家に戻って畑を耕しながら、お隣さんとおしゃべりをしようと思う。
「こんにちは!今日のイモの調子はどうですか?」と。
■コスモぐらし公式サイト
http://cosmogu.com/
上記サイトから無料体験版がダウンロードできますので、ぜひ遊んでみてください。
■テレビ朝日「バブーファクトリー」
http://www.tv-asahi.co.jp/baboo/
■今日のカメ。
去年のコスモぐのイベントの模様をいくつか御紹介します。
■2003年コスモぐの夏

みんな水着に着替えて、カキ氷を食べながら、おしゃべりをしていました。
■2003年ユーザー結婚式

■2003年ハロウィンイベント

カボチャは夜になると光ります。
■2003年クリスマス

コスモぐでは、自分の作った野菜で様々な料理を作ったり、部屋に並べる家具も自分で作ることが出来ます。