おじいちゃんと孫
父ももういないし、おばあちゃんも10年以上前に亡くなってしまった。
おまけに兄弟もいないので、私一人という超シンプルな家族構成になっている。
今、唯一肉親はおじいちゃんだけになってしまった。
おじいちゃん。
おじいちゃんと孫は、昔からすごく仲が良かった。
うちは共働きだったので、幼稚園から帰るとおじいちゃん家に直行することになっていた。
おじいちゃん、おばあちゃん共に良い人で、何か悲しいこと、困ったことがあるとおばあちゃんに相談し、何か楽しいことをしたり、話したりするときはいつもおじいちゃんだった。
もう御年今年で90歳になるが、すごく頼りになるスーパーおじいちゃんである。
90歳と聞くと、もしかしたらかなり腰が曲がって、あまり動かないお年寄りを想像するかもしれない。誰かに介助されているイメージかもしれない。
が、私のおじいちゃんはよく歩き、よく食べ、よく笑う、90歳とは思えない元気なおじいちゃんである。むしろ、いまだに私がおじいちゃんに相談をしたりすることもある。
まず、私(約168センチ)より背が高い。
背筋もピンとしているし、どこか食事に行くときも私がタクシー・・・とか言っている側で、この距離なら歩こうよと言う。
去年の引越しの際も、私の荷物運びを一緒になって手伝ってくれて、私でも踏ん張って持ち上げるような荷物を簡単に持ち上げる。
とても器用で、好奇心が旺盛であり、家の倉庫に自分で配線をして電球を取り付けてみたり、木で棚を作ってみたり、色々なことをする。今もご飯は自分で自炊をしている。
きちんと私との会話も噛み合うし、冗談も言う。
正直、自分が90歳になった時にここまで動けて、ここまで元気で、ここまでいろんなことに興味と理解があるお年寄りになれている自信がない。
おじいちゃんになぜこんなに元気で丈夫でいられるのか秘訣を聞くと、「戦争行ってたからじゃないかなぁ。若いもんとは違うんだよ。」と決まって笑う。
こうして孫が安心して働けるのも、おじいちゃんが元気でいてくれるからでもある。
子供の頃はしょっちゅうおじいちゃんちに遊びに行って、泊まったりもしていたが、社会人になってからは電話で話すことはあっても、会ったりする機会がなかなか取れなくなってしまった。引越して家もちょっと遠くなってしまった。
で、先日、孫はおじいちゃんを食事に誘った。
「おじいちゃん、ご飯食べに行こうよ。」
「いいよ。」
「何食べたい?食べたいものある?」
「何でもいいよ。何でも食べれるから。」
「じゃぁ、寿司は?」
「いいよ、りえの好きな寿司にしよう。」
こうしておじいちゃんと孫は二人で蒲田の寿司屋に行った。
寿司屋には会社帰りのサラリーマンが酒を飲みながら、寿司をつまんでいた。
おじいちゃんと孫・・・、たぶん客には謎のお年寄りと謎の若い女に見えたのか(笑)、こっちを凝視された。
おじいちゃんと孫で寿司屋のカウンターに座り、一緒に熱燗をくみかわし、寿司をつまみながら、おじいちゃんの戦争体験を聞く・・・。
なんだか、すごく幸せな気がした。
■今日のカメ
■おじいちゃん

90歳にはホント見えないです。
■おじいちゃんと孫

■握り「小粋」

西口駅前の飲み屋街にある「小粋」さんです。
カウンターしかなく、小さなお店ですが、「赤しゃり」という赤酢を使った赤みの帯びたシャリが特徴で、お寿司も美味しいです。
■中とろ

ほんのりシャリが赤いのがごらんいただけますでしょうか・・・?
■かんぱち

■えんがわ

ちなみに、上に乗っている黄色いものは、卵でした。脂っぽさがほんのり甘い卵でいい感じに中和されていました。
■サラダ巻き

■たまご その①

この卵、ちょっと茶色いでしょ。
食べてみると、ほんのり甘くて、カカオの味がします。
そうです、ココア入りです。意外な組み合わせですが、実は意外に美味いんです、これ。
■たまご その②

ちょっと緑がかっています。
ほうれん草?最初私もそう思いましたが、パセリ入りだそうです。