ダ・ヴィンチの秋
年に1回一カ国でしか公開されないという貴重な彼の直筆ノート「レスター手稿」というものが日本で初公開となったのだ。
英国貴族レスター卿、石油王アーマンド・ハマーと渡り、現在この「レスター手稿」を所有されているのは、あのビル・ゲイツ夫妻。
現世の天才のご好意で、偉大なる天才の一部に触れることができる滅多にない貴重な機会とあって、早速、六本木ヒルズの森アーツギャラリーセンターへ行って来た。
近年、「ダ・ヴィンチコード」などで全世界でダ・ヴィンチに注目が集まっている。
テレビでも「ダ・ヴィンチ」という名前を聞くことが多くなった。
そのせいもあってか、入場券を買う時点で、かなり混んでいた。
意外だったのは、客層。
年齢層高めの美術館や博物館を好みそうな方ばかりかと思ったが、若いカップルも多かったし、色黒でピンクにゴールドというようなお姉ちゃんグループも見受けられた。
ダ・ヴィンチというと、私はすぐに絵画を思い出してしまう。「モナ・リザ」「最後の晩餐」など、画家のイメージが強い。
でも、実は、月の満ち欠けなどを考える天文学、水流の変化などを考える水力学、地殻変動などを考える地球物理学など、ダ・ヴィンチの関心と研究は多岐に渡っている。
私も実物のレスター手稿を初めて見たが、実に細かな字でページにぎっしり文字と絵が書かれていた。
もちろん何が書かれているかは分からないし、私の脳みそではまるで理解ができないが、ただ、「好きだったんだろうな」ということは分かった。
きっと発見が楽しくて、すべてのことが疑問で、多くのことに関心があって、とにかく夢中で、そして色々なことを観察していることが好きだった「人」が残したノート、そういう風に見えた。
一見すると、全く絵画と関係ないように思ってしまうが、ダ・ヴィンチによると、すべて必要なことで、絵画に通じているらしい。
じっくり観察すること、感じること、考えること、これらすべてが絵にとって重要なことでもあるようだ。
ダ・ヴィンチ展の公式サイトに、所有者であるビル・ゲイツ氏のインタビューが載っていた。
「レスター手稿を全世界で公開する目的は何ですか?」
「ダ・ヴィンチの作品はインスピレーションを呼び起こしてくれるからです。」
私の眠っているインスピレーションも薄目くらいは開けてくれただろうか。
■今日のカメ
■レオナルド・ダ・ヴィンチ展
9/15~11/3まで、六本木の森アーツギャラリーでやっています。入場料は大人1500円です。
内容としては、見て瞬間に感動があったり、すぐに理解できるようなものではないかもしれません。正直、私も未だによく分かりません。ですが、人類史上最大の天才の残した何かに自分が出会えるってちょっとわくわくしませんか。
ご興味がある方はぜひ。