幽霊画を見に行く
海、プール、山、イベント、花火・・・・それもいいけど、ノンノン、違います。
幽霊画です(笑)。
東京・谷中にある「全生庵」というお寺で、毎年8月1日~31日までの1ヶ月間、この寺が所蔵している貴重な「幽霊画」が一般公開されている。
幽霊画の話に行く前に、まずちょっと歴史の話からしないといけないのだが、「全生庵」は、幕末から明治にかけて活躍した政治家、思想家でもある山岡鉄舟が建立した寺である。
山岡鉄舟は「禅」の達人としても知られており、その禅の弟子の中に、落語家の三遊亭円朝がいる。
話を幽霊画に戻して、この幽霊画は元々は円朝が所蔵していたコレクションなのだが、亡くなられた後、縁あって、遺族の方がこの寺に寄贈したということらしい。
ちなみに、三遊亭円朝も幕末から明治にかけて活躍した落語界の大看板で、幽霊でいえば、「怪談牡丹燈籠」などのお話の原作者でもある。
「なんで幽霊画が全生庵にあるか?」は、ざっくり書くと、こんな感じだ。
さて、今度は、「なんで私が行ったか?」だが、まぁ、ざっくり書くと、「興味深々だったから」だ(笑)。
噂を聞いてからずっと行きたいと思っていたのだが、なかなかチャンスがなく、やっと行けた。
嫌いな方にとっては、なんでわざわざ行くんだ?くらいの感覚かと思うが、西洋幽霊と日本幽霊の違い、西洋死後の世界と日本死後の世界の考え方の違い、日本の幽霊はどんな顔をしているのか、やっぱりいわゆる「お岩さん」のような顔なんだろうか、どんな人たちが見に来ているのだろう、もう考えれば考えるほど、色んな事が浮かんできて、興味が尽きない(笑)。
さてさて、時はちょうどいい感じでお盆シーズン。真夏日。
千代田線「千駄木」駅を降りて、下町を歩いて、徒歩10分。
町には至るところで「円朝まつり」と書かれたのぼりを立てていたが、お盆休みということもあってか、人はまばらだった。
幽霊画の展示はお寺本堂の横の小さな部屋で行われていた。
靴を脱いで、拝観料500円を払う。
部屋に入ると、円山応挙や歌川広重など、有名な日本画家たちの幽霊掛軸が30点ほど、所狭しと並べられていた。
来ている人は少なく、10名くらいだろうか。年配の方よりも、意外に若い人が多かった。
写真撮影禁止なので、伝えづらいのだが、個人的には鰭埼英明という画家の美人幽霊と、名前は忘れてしまったが、子供を抱え、すごい形相でこちらをにらんでいる幽霊画が良かった。
あと、これまた作者を忘れてしまったが、お岩さんのように片目が腫れた女の幽霊の絵も良かった。
幽霊画に「良かった」というのも、なんだか合っているんだが、ないんだか分からんが(笑)、良かった。
感想として、全部それぞれ違う作者が描いているのだが、楽しそうな幽霊は1人もおらず、日本における幽霊は、「現実世界になんらかの未練、恨みつらみを残して出てしまう」という世界観なんだろうなぁ、と思った。
あと、大きく分けて2つの風潮があって、幽霊を美しい女性で描く人と、あからさまに髪や歯が抜け落ちて妖怪っぽく描く人で分かれているように思った。
日本文化に触れつつ、夏らしい、というか、お盆らしい一日を過ごした。
■全生庵
http://www.theway.jp/zen/
■今日のカメ
■円朝まつり
千駄木から谷中にかけて、この「円朝まつり」と書かれたのぼりがいっぱい立っていました。幽霊画一般公開以外にも、落語のイベントなども行われるようです。
■全生庵
千代田線千駄木駅から10分ほど。周りには全生庵以外にも多数のお寺があります。
■幽霊画展
待望の幽霊画展開催中です。
■入口
目の前が本堂で、裏がお墓。そんなに大きくはありません。
■金の観音様
裏のお墓の真ん中に金色の大きな観音様が立っています。
■「café 2Lotus」
幽霊画の途中で寄ったギャラリーを兼ねているカフェ。
■猫がいました
綺麗な毛並みをしたオス猫がいました。
■バナナジュース
バナナを1本丸ごと使いますと書かれていたので、注文。ミルクたっぷりの濃厚バナナジュースを期待していたんですが、ちょっと薄く、あんまり甘くなくて、好みのバナナジュースではありまでした(苦笑)。
■いせ辰
以前、千駄木へ行った時にも立ち寄った和紙や日本工芸の店。
■お土産① ぽち袋
お金を入れる小さな袋。絵柄が派手でかわいいので、いっぱい買っちゃいました。
■お土産② ぽちメモ
ぽち袋を小さく切ったメモ帳です。小さな折り紙のような感じでかわいいです。
■お土産③ キッチンペーパー
和柄のキッチンペーパー。家で揚げ物を出す時とかに敷いて使っています。