そう、観察眼がないんです、きっと。
子供のころに比べ、大人になっていろんな感情が薄くなってきた気がして、非常に悲しい今日この頃ではあるが(苦笑)、中でも「驚く」という感情が少なくなってきた。
サスペンス映画は、もちろん内容はピンキリではあるが、この「驚く」という感情を呼び戻してくれるので、個人的に好んで見るのだと思う。
ちょっと前の映画の話になるが、「SAW ソウ」というサスペンス映画をご覧になったことはあるだろうか?
当時、インパクトのあるCMがガンガンに流れていて、私もかなり気になって、公開同時くらいに、映画館へ行った。
以下、ネタばれも含むので、本題に入る前に、「SAWソウ」をこれから観ようと思っている方は、ご注意を。
話を「SAWソウ」に戻して、この映画、医者とスクープカメラマンが足を鎖に繋がれて、小さな廃屋に閉じ込められるシーンから始まり、「ジグソウ」という犯人から、殺人ゲームをやらされるというお話。
冒頭から二人の目の前に死体があるのだが、実は、その死体は生きていて、それこそが殺人ゲームの主催者でもあり、そのゲームを最前列で見ようとしていた殺人鬼「ジグソウ」本人、という、急ピッチで話すとそんな感じ。
私は当時、全く犯人も分からなければ、映画内の色んな情報やシーンに振り回され、当然、死体は死体だと思っていた。
最後、死体だと思い込んでいた物体が立ち上がった時には、「えー!!!!」と思わず驚いて声を上げてしまった。
制作側が狙った通りにまんまと振り回され驚いているわけだから、ある意味、いいお客さん、とも言える(笑)。
映画代分は十分驚き、楽しんだと思う。
さて、先日、数年ぶりにまた「SAWソウ」を観る機会があり、まだ「SAWソウ」を観たことがないという人と一緒に観た。
すると、冒頭、死体が出てきて、すぐくらいで、「もしかして、あの死体、死んでないんじゃない?」と聞かれた。
!!!!
私が最後の最後まで全く分からなかった、この映画のオチを冒頭数分で気づくとは!!
聞くと、「映画は、決められた時間の中で伝えないといけないことがいっぱいあるはずだから、一瞬の情報もすべてがヒントで、無駄なものはないはず」という考えの下、こんな推理をしていた。
映画内で、死体が握っているテープレコーダーを死体から取るシーンがあるのだが、「死体からかなり黒い血が出ている」=「死体は死後時間が経っている」、なのに、「テープレコーダーが手から簡単に取れる」=「死後硬直していない」、ゆえに「おかしい」=「もしや、生きている?」ということなのだという。
自分の観察眼の無さに軽く落胆するとともに、・・・すげぇ、まるで名探偵コナンみたいだ(笑)。
■今日のカメ
■SAW ソウ
サスペンスが好きな人は、サスペンスを楽しめている人なわけで、突き詰めると、いい意味で観察眼が鈍っている人なのではないかと思う今日この頃。