神泉「bacar (バカール)」へ行く。
昔から、好きなお店が出来たら、
しばらく続けて通うようにしている。
もちろん、行きたいから行っているのだし、
季節ごとの食材を使った料理の変化を楽しみたいとか、
元々の私のワンパターンな習性というのもかなり影響してはいるのだが、
それ以外に、通い続けることに「意味」があるからそうしている。
それは、お店に自分を知ってもらって、覚えてもらうことにある。
自分はどんな人で、どんなものが好きか嫌いか、
濃い味を好むのか、薄い味を好むのか、
タバコは吸うのか、吸わないのか、
お酒は飲むのか、飲まないのか、
どんな話が好きなのか、仕事のことを聞かれるのか好きなのか、
家族のことを聞かれるのが好きなのか、どんな口調で接することを好むのか。
お店へは仕事帰りに来るのか、休日にのんびり食事に来るのか、
牛を好むのか、鹿や子羊のようなものを好むのか、
甘いものは好きなのか、食後は紅茶なのか、コーヒーなのか。
一番の幸せは、自分の趣味嗜好にピッタリ合った形で、
そのお店の最高のサービスを受けることにある。
これが、喜ぶ客、喜んでもらったお店、双方にとって一番幸せなのだ。
お店にとっては、初めての客は未知の塊であり、超能力者でもないので、
一瞬でその人を見抜くことなどできない。
とはいえ、これだけ細かい自分の趣味嗜好を
お店に話して伝えて理解してもらおうとしても、
話すのも面倒だし、こっちが疲れてゲンナリしてしまう。
だからこそ、通って、知ってもらうのだ。
いいお店は、客を理解し、それに合わせた対応をする能力もスピードも高い。
そこはプロなので、
こちらは「あなたが好きです」「仲良くなりたいんです」という想いと、
何が好きか嫌いかをハッキリ伝える、これだけでいい。
「客」という観点からすると、お店側に客が自分を売り込むように聞こえるので、
いささか違和感がある表現かもしれないが、今まで色んなお店に行ってきて、
自分が好きなお店とより快適に、より長く付き合いっていくために、
このプロセスはとても大事なことだと思っている。
たまに、美味しくなかった料理に対して、その時には何も言わないで、
後になって色々と文句を言う人がいる。
言うことが悪いような気がするのかもしれないが、
本当にその店が好きであれば、むしろ、これが嫌だったとか、
これが気になったとか、ハッキリ言った方がいい。
そして、言った上で、必ず、その後、もう一回行ってあげるのがいい。
客の不満にどう対処したかがお店の腕の見せ所だし、
お店だってもう1回挽回のチャンスは欲しい。
仮に、これでちゃんと対応してくれていたならば、
客としてもその真摯な姿勢に、よりその店が好きになるのではないか。
最後に、一番いけないのは、ちゃんと考えずに
ただその時の気分で文句を言うことと、
客だからという変な怠慢で言い放しで終わってしまうこと。
お店も、客も、みんな人間なので、やっぱり気持ち良く接した方が、
お互いハッピーだし、きっといい関係ができる。
もしこちらがきちんと接しているのに対し、それの解が出せないようなお店は、
お店のクオリティーがそもそも低いので、こちらから付き合いをやめればいいのだ。
さて、前置きが長くなってしまったが、神泉「bacar (バカール)」へ。
私はこのお店が気に入っていて、
「あなたが好きです」「仲良くなりたいんです」という想いがあるので、
片想いで終わらないように(笑)、最近、続けて通わせてもらっている。
前々回、前回を通じ、今回で3回目になるが、
さすがプロの仕事として、どんどん私の趣味嗜好を覚えてくださり、
特に何を言わなくても食べたそうな料理を紹介してくれたり、
好む味付けだったり、うまい間を見つけて話しかけてきてくれたり、
美味しい料理と心地よい空間を提供してくれている。
安心できるお店だ。
そして、今回で、ようやく両想いになったんじゃないかな、
と勝手に思っている(笑)。
早速、来月の予約もさせてもらった。
来月は、親友としちゃんと一緒にクリスマスディーナーの予定。
いまからとても楽しみだ。
■restaurant bacar
http://www.restaurant-bacar.com/
■今日のカメ
■富良野産ブドウジュース

ノンアルコールで料理に合うものということで、出していただいたジュースです。甘みはありますが、料理に合う口当たりの良いジュースでした。
■アミューズ

砂糖でコーティングされているところもあり、岩塩のしょっぱさがあるところもあり、胡椒の香りがするところもあり、1つの中に色んな味で構成されている不思議なトマトです。
■1品目
「フォアグラのミルフィーユ仕立て」

濃厚なフォアグラがチーズのようで、赤いプラムのソースと一緒に食べると、デザートでケーキを食べているような感じがします。
■2品目
「日本各地から取り寄せた有機野菜と能登産ズワイ蟹とカニミソのバーニャカウダ」

■なんとかダケ

■バーニャカウダソース

「セイコガニ」だったかな、ズワイガニのメスのことですが、その身も入っているようです。ズワイガニはオス、メスで味が違います。
■3品目
「カレー風味の温かいブルーテ 白子のソテー添え」

■3品目アップ

カレーの風味が強めのアクセントになっていますが、白子とも合っていて、すごく美味しかったです。実は、白子苦手だったんですが、全く臭みもなく、キレイに全部食べてしまいました。
■4品目
「アイスランド産子羊のスモーク
ローズマリーとにんにくの香りとともに」

■4品目アップ

■タイム塩

■自家製パン

■5品目
「小鴨と洋葱とフォアグラの鉄鍋炊きあげご飯」

■5品目アップ

■デザート
「いちごのゼリー寄せと練乳のふわふわ」

真ん中にいちごのゼリー、周りに練乳のホイップ、パイ皮、カモミールのアイスがあり、一緒に食べると、香りが良いいちごのミルフィーユを食べている感じになります。
■デザート
「ゆずのスフレとマンゴーアイス」

温かいスフレで、ゆずの香りがすごく立っていて、それでいて、オレンジのような強烈な柑橘の香りではないので、いくつでも食べれそうです。ゆずって万能ですね。
■マルコポーロ

最近はこの紅茶を置くお店が増えていて、紅茶好きとしては嬉しいです。