急アルと病院と、そして、思うこと。
去年のクリスマスの話だ。
この日は、会社の同僚&後輩、そして、中学からの親友1名、計16名の大所帯で、私が気に入っている広島焼きのお店を貸し切り、クリスマスパーティー&忘年会をやっていた。
そこからの話は、2010年の冒頭で書かせていただいたとおりで、大波乱となった。
食事の後にみんなでパーっとカラオケでも行きたかった人もそんな状況じゃなくなり、救急車が来るまで一緒にいてくれた人の何人かは途中で終電がなくなってしまった。
お店にも申し訳ないことをした。
後日菓子折を持って謝罪に行き、大将は笑いながら「うちはホント大丈夫ですよ」と言ってくれたが、申し訳ない・・・。
私としても、ぶっちゃけ、海外出国の前日で、翌日、きれていた薬を病院に取りに行く予定もあり、「マジで勘弁してくれよ・・・」と思ったが、まぁ、とにかく無事で、本人も好きでそうなったわけではなく、何より本人もとてもとても反省しているので、もう良しとしたいと思う(苦笑)。
親友に代わり、この場を借りて、大将並びにお店のスタッフの皆さん、救急対応をしてくださった皆さん、忘年会出席者の皆さんに、「ごめんなさい」と「ありがとう」をお伝えしたい。
さて、ちょっと時間を巻き戻し、救急車と病院で思ったことを話そうと思う。
救急車が来た時、1人は40代後半くらい、もう1人は30代くらいの男の救急隊員さんが2名乗っていた。
どちらも、とても親切な良い方で、苦しそうに吐いたり、暴れてグーやキックで隊員の皆さんや私に攻撃してくる(苦笑)彼女に対し、「苦しいね、もうちょっとの我慢だよ」とか「大丈夫だよ、みんないるからね」とかやさしい言葉を掛けながら、担架に乗せ、暴れないように押さえていた。
さらに、私にも、「大変だったね」とか「心配ないですからね」と優しい言葉をかけてくれる。
実は、彼女がこうなったのは、知っている限り2度目で、1回目の時にも私が救急車を呼んだので、病院で点滴を打ってもらえれば、まぁ、おそらく復活するであろうことは分かっていたのだが、隊員の皆さんは嫌な顔1つせず、終始、患者と付き添いの私に気を遣ってくれていた。
さてさて、救急車が来て、担架の彼女と私が乗り込んでから、もう20分経とうとしているが、一向に救急車が発車しない。
聞くと、受け入れてくれる病院がないのだそうだ。
元々、都内の病院のベッドの空きがないこと、年末で同じような状況に陥った人が多いこと、アル中は暴れたり吐いたり迷惑をかけるので病院が受けたがらないこと、そのあたりが理由らしい。
さらに、電話越しに大きな声で叫んだり、暴れている様が病院に伝わってしまっているらしく(苦笑)、「こちらの患者さんには付き添いの方もいらっしゃるので・・・」と隊員さんが説明しても、病院が拒否をしているようだ。
もう5軒断られ、ようやく6軒目に、高田馬場にある中くらいの規模の救急病院に1つベッドがあるということで、救急車到着から30分後、やっとそこへ搬送されることになった。
よくニュースで病院受け入れ拒否の問題が取り立たされているが、これがもし生死に関わる重病人だったり、妊婦さんだったりしたら、えらいことだなぁ・・・と思った。
病院に到着し、私は彼女の荷物を持って降り、隊員の皆さんが担架を運んで、病院内に入った。
そして、出てきた看護婦さんに患者の名前や状況を説明してくれていたのだが、隊員さんの親切さと打って変って、病院の看護婦さんは冷たかった。
まず、治療室に一旦担架を移すのでもなく、受付の目の前で担架に乗った彼女を見て、ため息をもらし、その上、「ずっと暴れているの・・・?」と嫌そうに隊員に話した。
3階の大部屋の端のベッドが空いているとのことで、担架を持って移動。
隊員の皆さんは段差に気を付けながら丁寧に患者を搬送してくれていたが、ベッドに付くなり、看護婦が「痛い痛い」という彼女に「少し黙って!仕方ないでしょ!!」と言いながら点滴針を刺す。
そして、私を見て、「あなた、付き添い?だったら、夜中なので暴れたりしないようにここでちゃんと付き添っていてください。」とだけ言い残して、別の患者の部屋へ行ってしまった。
何も分からぬまま、病室に残され、とりあえず、パイプ椅子を取り出して、ベッド脇に座る。
点滴1本、3時間。これを3本打つらしい。
どんな点滴か、とかの説明は一切なし。
いきなり、治療の記録とか言う紙を渡され、これ、本来、実際患者を診た医師や看護婦が手書きで記入するものと思われるが、よく見ると、コピーで、治療のコメントや医師名共に印刷済みのものだった。
眠気と闘いながら、ようやく3時間の点滴1本目が終了間近になった。
しばらくして、看護婦がやってきて、点滴を見るなり、私に「終わりかけてるじゃない!なんで連絡してくれないの!」と怒り出した。
いやいや・・・。
あんなに不機嫌そうで忙しそうにしていて、何の説明もしなかったくせに、「なぜ呼ばない?」はないでしょう。
こっちとしてみれば、呼ぼうものなら、「終わる時間なんて知ってるわよ!他のもっと重要な患者さんが優先なのよ!」くらいは言われそうな気がしていた。
さらに、これ、深夜の病院ではどこもそうなのか、よく分からないのだが、受付の当直と思われる若い男性が、上下紺のスウェットに便所スリッパのようなものを履いていて、「この人、ホントに病院の関係者??」と疑いたくなるような状態であった。
不機嫌そうに「なんか用があったら、このボタンを押してください」と言い、奥の部屋に入っていく。
この病院、深夜はセキュリティーのためにこの人がドアを開けない限り、病院外に出れないようになっている。
「まぁ、朝まで出なければいいから・・」と思ったが、夜中に、ちょっと復帰した親友が起き出し、どうしてもコンビニで買ってきてほしいものを頼まれ、外へ出ることになった。
ところが、何度ボタンを押せど、一向に出てくる気配がない。
これでは、外に出れないので、他の階に移動し、看護婦さんを探すことに。
が、看護婦さんも見当たらず、そうやく見つけた掃除の方(?)のようなおばさんに事情を話す。
すると、「何買うの?どうしても出ないといけないの?」と何度も聞いてくる。
「患者が欲しいと言っている必要なものだし、買い物は自由じゃないか!」と腹が立ったが、なんとか抑えて、おばさんを説得し、一緒に受付に来てもらい、中にいるであろうスウェットのお兄ちゃんを呼んできてもらう。
しばらく経って、明らかに爆睡していたと思われる、超不機嫌なお兄ちゃんが現れ、無言でドアを開けてくれた。
と、まぁ、他にも細かいこと色々あるが、、受け入れていただいたことは感謝しつつも、対応はホントに最低だった。
こんな病院初めてだ。
確かに、年末のこの忙しい時期に、片や不眠不休で働いていて、片や飲んでアル中で運ばれてきて、イラッとすることもあるだろう。
彼女が入っていた病室の入り口に、名前が書かれた札の横に赤字で「急アル」と書かれていて、ふと、隣の大部屋を見ると、同じく赤文字で「急アル」と書かれた女性の名前があり(苦笑)、年末に、少なくとも2名の女性が運ばれていることを考えると、腹が立つのも分からんではない。
見る限り、深夜担当看護婦は2人しかおらず、素人ながら、病床に対して人数が少な過ぎると感じたので、きっと想像を超える忙しさと疲れがあったのかもしれない。
とはいえ。
とはいえ、だ。
あんな態度を取ることは、ないと思う。
もちろん、受け入れてもらえたことには心から感謝の意を表すが、正直、患者にも、患者の付き添いにも失礼だ。
もう二度と行かない、あんな病院・・・。
■今日のカメ
■広島焼き
とても美味しかった広島焼き。みんながワイワイしている間に、私はこっそりいっぱい食べてました(笑)。
■思い出①
大将はサンタの格好で料理を作っていました。その向こうで、何やら立ち上がってワイワイしています。
■思い出②
途中から1席だけ他のお客さん(知り合いの外人さん)が来ていましたが、意気投合し、何やら分かりあい・・・。
■思い出③
そして、最後に抱き合って、親睦を深めている様子(笑)。ちなみに、もちろん、二人は初対面。
■思い出④
普段、あまり仕事で関わりがない人同士も、食べて飲んでいるうちに、打ち解けて、最後には、みんな、満面の笑みでした