スリランカへ行く。⑬ ~生きてる死んでるは大差ない~
ジェフリー・バワの傑作「ヘリタンス・カンダラマ」を後にし、
ダンブッラという町にある世界遺産「ダンブッラ石窟寺院」へ向かう。
この石窟寺院、ちょっと厄介で、石窟寺院は山の上にあるのだが、
そこでは入場券は買えず、まずダンブッラの町にある
この奇妙な場所で入場券を買ってから山に入らないといけない。
なので、汗だくで苦労して登ったはいいけど入場できず、
また下山するという観光客の悲劇が後をたたないらしい。




この明らかにふざけているとしか思えない建物は、
実は、「GOLDEN TEMPLE」という名前の大真面目な寺院博物館。
何かの修行か試練かとしか思えない寺院博物館に立ち寄り、
しっかり入場券を買って、ここからさらに車で3分くらい進む。
そこからは車を降り、後は自分の足で山を登らないといけない。
油断していたが、割とキツめの山登りを終えると、
緑豊かな美しい景色と共に、世界遺産「ダンブッラ石窟寺院」が現れる。


石窟寺院は、5つの洞窟からなり、壁や天井にはカラフルな曼荼羅が描かれ、
洞窟内には無数の仏像が並んでいて、その様子は圧巻だった。




山登りはハードだったが、来て良かったと思える寺院だった。
中でも、一番印象に残ったのが、「涅槃仏」の生死の見分け方の話。
涅槃仏は、目を開けながら入滅しているので、
仏像をパッと見ただけだと、
単に寝ているのか、死んでしまっているのか分からない。
なんと、それに見分け方があるのだ。
ポイントは、涅槃仏の足元。
この涅槃仏の足元を見ると、足の指がきれいに揃ってて、
袈裟もちゃんとしていて、乱れていない。
これは自身を制御できている、つまり、生きている(寝ている)という状態。

逆に、この涅槃仏の足元を見ると、
足の指がずれていて、袈裟の波も乱れていることが分かる。
これは、自身をもう制御できない状況にある、つまり、死んでいることを指す。

この話を感激して、色んな人に話をしていたところ、
知り合いのゲームデザイナーさんが、
「つまり、生きていることと、死んでいることは
指の先の違いほどでそれほど大差ないってことなんだよ」と。
奥が深いな、仏教。
■今日のカメ
■「GOLDEN TEMPLE」①

■「GOLDEN TEMPLE」②

■「GOLDEN TEMPLE」③

■上部

■下部

■周辺

■いよいよ山の上へ

■頂上到着

■「ダンブッラ石窟寺院」入口

■石窟寺院①

全石窟の中で、この第一窟が一番古く、紀元前1世紀に作られたそうです。
■石窟寺院②

■石窟寺院③

ちなみに、この寝釈迦物は指がずれているので、死んでいる状態です。
■石窟寺院④

■石窟寺院⑤

■石窟寺院⑥

■石窟寺院⑦

■石窟寺院⑧

■石窟寺院⑨

■石窟寺院⑩

■石窟寺院⑪

■石窟寺院⑫

by meshi-quest
| 2016-01-23 08:00
| 旅行_海外