渋谷「熟成鮨 万」へ行く。
鮨好きの友達から紹介してもらい、
鮨グルメ界で噂になっている全鮨が熟成という
鮨熟成士・白山さんのお店「熟成鮨 万」へ。
渋谷の高級マンションの1室にあり、
看板はないので、普通にマンションのインターフォンを押して、
オートロックを解錠してもらって中に入る。
エレベーターを降りると、すぐ目の前がお店で、
ガラス越しにカウンターが見え、大将の白山さんが優しく出迎えてくれる。
まず、1品目は毛蟹と松茸の前菜から。
早速日本酒をいただく。
2品目は、自家製あん肝と八王子生姜の蒸し物。
熟成鮨をしっかり楽しんでほしいという思いから、早速にぎりへ。
まずは名刺代わりという、シャリと海苔のみの味見。
赤酢がしっかり効いてて、すごく美味しいシャリ。
シャリに使っているお酢も笑顔で教えてくださった。
続いて、大間の本マグロ。
「万」は全ての鮨が熟成した魚を使っていて、これは28日熟成。
コクがあって、深い味わい。
マグロってこんな味になるんだな、驚いた。
大間の赤身のづけ、10日熟成。
マグロの切り付けが美しい。
大間のトロ、35日熟成。
すごい脂が乗っているのに、
熟成のおかげか全くくどくなく、ホント美味しい。
今まで食べたことない味と香りと色のトロをしている。
15日熟成のこはだと、25日熟成のキンメ。
白身は熟成を長くやると、
最後はどんな白身も味や香りが一緒になってしまうらしく、
白身の種類によって、ちゃんと個性が出るよう熟成日数を変えてるのだそう。
ここで、3品目のつまみ。
焼き海老と栗の組み合わせ。
17日熟成のさよりと、25日熟成の小鯛。
さよりは昨今皮をむいた透き通ったものが多いが、
そもそもは皮付きで下ごしらえをするのが本来のさよりの仕事だそう。
皮付きのさよりは初めて食べたかも。
12日熟成の北海道古平のボタン海老。
なんとも言えないねっとり感と濃厚な風味は、熟成鮨ならではの絶品。
30日熟成の羅臼のブリ。
わさびの代わりにエシャレットを使って風味良く。
元々ブリは好きだけど、熟成ブリはすごく美味しいー。
12日熟成のかわはぎは、中に濃厚な肝を挟んで。
4品目のおつまみは、甘鯛のうろこ揚げ。
この甘鯛がビックリするくらいサクサクで上手に揚ってて、素晴らしかった。
20日熟成の江戸前のサバと、
15日熟成の長崎県の剣先イカ。
35日熟成のすじこと、
10日熟成の長万部のホッキ貝。
ホッキ貝は今まで食べた中で一番美味しかったかも。
生のホッキより、熟成したホッキの方が甘味や香りが断然増してる!
12日熟成の長崎対馬の穴子。
穴子の熟成は初めて食べた!
蕪のすり流しと、かんぴょう巻。
〆の玉も当然熟成魚を使っていて、
13日熟成の甘鯛のすり身を使っている玉子。
濃厚な味わいで、玉子もすごく美味しかった。
一部の鮨ネタを熟成しているところはよくあるが、
「万」のように最初から最後まですべて熟成鮨を出してくれるところは珍しい。
今まで他店でもいくつも熟成鮨を食べてきたが、
変に強い香りがしたりして、相性が悪いところが多く、
でも、ここ「万」に来て、初めて美味しい熟成鮨に出会った気がした。
大将がなぜ熟成鮨を始めたか、魚がなぜ腐るかの研究をした話など、
まるで医学や科学の研究者の話を聞いているようで、
めちゃくちゃ面白かった。
本当に心から熟成鮨を愛している人なんだなあと思った。
素晴らしい鮨屋さんに出会った。
また近々ぜひ伺わせていただこうと思う。
■「熟成鮨 万」
http://www.yorozu-sushi.com/wp/