四谷「オテル・ドゥ・ミクニ」へ行く。
懇意にさせていただいている
「世界のミクニ」と呼ばれた
フレンチの巨匠・三國清三シェフのグランメゾン、
「オテル・ドゥ・ミクニ」でディナー。
先日、2022年12月末をもっての一旦の閉店とお店の取り壊しが発表され、
37年のグランメゾンの歴史に幕を閉じることになった。
その前にぜひ三國シェフにお会いしたく、急遽お邪魔させていただいた。




三國シェフ、まずは本当にこれまで長らくお疲れ様でした。
そして、素晴らしいフレンチをありがとうございました!
2年後の2024年を目途に、
もう少し小規模な業態でレストランが始まるようだが、
もうこの形のグランメゾン「オテル・ドゥ・ミクニ」は最後。
年内私がお邪魔できるのがこれで最後なので、食べ納め、見納めとなる。
お客としては淋しい限りだが、
シェフは至って晴やかで、御年70歳で、きっと心も決まっていたのだろう。
この37年でやり切って、思い残すことがないのだろうと感じた。

ここが、レストランのウェイティングバー。
お席の準備ができるまで、三國さんと創業から一緒にいらっしゃる
ソムリエの戸田さんの作るカクテルをいただきながら、案内を待つ。
いつもはウェイティングの様子とかはそこまで載せてなかったが、
これが最後になるので、ちょっと多めに記録に残すことにする。




ここがレストランの広間。
ここだけでなく、こういう部屋が大小いくつかあり、
2階には会食用の個室もある。
今回は特別に一番奥の端の、ゆったり全体が見渡せる席を取っていただいた。
これも最後、見納めか・・・淋しくなるなあ。




普段「メシクエLV34」ではメニューは掲載していないが、
これも最後なので、掲載させていただく。
コースもあるのだが、
三國シェフのいろんな料理をいただきたいので、
いつもあえてアラカルトで注文させてもらっている。





1品目のアミューズは、
「オテル・ドゥ・ミクニ」の代名詞というくらい有名な
タルト・オニオン。
37年間、これがコースでもアラカルトでも最初に出てきて、
「オテル・ドゥ・ミクニ」に入られたシェフもまずこれを習うという全てが詰まった一品。
そして、私はこれを超えるタルトを未だ食べたことがない。本当に美味しい。
ホールでお持ち帰りしたいくらいなのだが、
ものすごく繊細に作られている料理だそうで、
営業開始ギリギリに焼き上げて、
営業が終わる頃にはもう風味が変わっているくらいのもの。
なので、残念ながら持って帰れない。ここでいただくしかない。




パンと、美しい発酵バター。


2品目は、
「インカのめざめとユリネのポタージュ、アサリ入り、桜エビとユリネのフリット添え」。
スープ好きなので、グランメゾンに来ると、必ずスープをいただく。
美味しいスープほど、技術も材料もかかるので、
良いレストランでこそいただきたいのがスープだったりする。
インカのめざめとユリネのクリーミーなポタージュに、
アサリと桜エビの風味が合わさって、
フランス風クラムチャウダーのような感じ。



「オテル・ドゥ・ミクニ」恒例のトリュフボックス登場!
これが出てきた時には、次の料理で黒トリュフを削るのが確定w。




そして、3品目もスープにした(笑)。
名物の「季節のキノコのカプチーノ仕立て」。
この料理は年中アラカルトメニューにあって、
常連さんにも好きな人が多く、私もこれまで何度もいただいてきた大好きな一品。
最後だと思うと、もう好きなものを好きなだけ食べておきたいw。
スープ連続でもいい。これがアラカルトの良いところ。
本来はいろんなキノコが入るのだが、
あえて私が大好きなジロール茸オンリーで作ってもらった。
めちゃくちゃ美味しい。ホント美味しい。
上から黒トリュフをたっぷり削ってもらった。
キノコの風味でトリップしそうだ。



4品目の魚料理は、私が行く度に頼んでいる
「ブルターニュ産オマール海老のキャベツ包み、そのクレーム・ドゥ・コライユ風味」。
コライユはコーラル(珊瑚)なのだが、
フレンチでは赤い部分としてオマール海老とかの海老味噌を指す。
キャベツの中にはたっぷり最高級オマール海老の身が詰まってて、
オマールの旨味がたっぷり詰まった濃厚なクリームソースといただく。
クリームに一切のよどみがなく、
大海原に浮かぶ緑の無人島のよう(なんか美味しんぼみたいなこと言っちゃったがw)。
めちゃくちゃ美しく、そして、めちゃくちゃ美味しい海老料理。




5品目の肉料理は、ジビエの季節なので、ジビエ料理を。
「ペルドロールージュ(キジ科の赤脚岩シャコ)のロティ、柚子の香り、ソースペルドロールージュ」
ペルドローは岩シャコというキジ科の鳥で、ヤマウズラとも呼ばれてる。
ルージュは赤なので、赤脚の岩シャコ。
肉の旨味がしっかりしてて、弾力もあり、これもすごく美味しい。
手前の大きな部位はむね肉、
奥の部位はクミンなどのハーブでマリネしてハチミツ焼きしたもも肉。
付け合わせは根セロリのピューレ、みかんのソテーなど。
三日月のパイは「フルロン」というそうで、
中にはペルドロールージュの肝が入ってる。
ソースは、ペルドロールージュから取った出汁を赤ワインで煮詰めたもの。





最後と言うことで、
6品目にもう1つ肉料理を追加させてもらった。
アラカルトだからこそなせるわざ。
スタッフさんも笑ってたw。
「蝦夷鹿内もも肉のロティ、洋梨の赤ワイン添え、ソースポワブラード」
5品目に2つ脚の鳥をいただいているので、最後は4つ脚で。
クセも臭みも一切ない、綺麗な味の蝦夷鹿のもも肉。
付け合わせは、ゆきわり茸、洋梨の赤ワイン煮、
キャベツのプレゼ、ちぎりパスタのフリット。



7品目は、名物の完熟フロマージュのワゴン。
「オテル・ドゥ・ミクニ」厳選のフロマージュを好きなだけ。
ちょうど大好きなウォッシュチーズ「モンドール」が出始めの時期。
なので、「モンドール」「エポワス」など
ウォッシュチーズだけ4種全部いただいた。
ワゴンチーズがいただけるグランメゾンも少なくなってきたなあ。
チーズ好きとしては悲しい。




8品目のデザートはウェイティングバーに行って、いただく。
「東京杉並の内藤栗のモンブラン、ミレジメ2023、イガ栗風」
毎年、その年のモンブランを考案して変えているそうで、
これが今年バージョンのモンブラン。
甘さ控えめで、栗の風味がしっかりしてて、とても美味しい。
個人的にモンブランは大好きで、栗ペーストは大好きなのだが、
栗の甘露煮はあまり好みではなくてw、
このモンブランは甘露煮は入ってなくてペーストだけなので、すごく好き。
周りのイガ栗っぽい部分はカダイフにココアパウダーもまぶしたもの。



食後の3種のプティフール。
パリの「マリーアントワネットティー」と共に。
「マリーアントワネットティー」は、
ベルサイユ宮殿に今も残るルイ14世の畑にある
薔薇と林檎で風味付けされてる紅茶でとても美味しかった。



そして、最後の最後に・・・。
冒頭に書いたように毎年3月の私の誕生日にお邪魔していたのだが、
年末で閉店&解体ということもあり、
なんと特別に一足早くお誕生日のお祝いをしてもらった。
私が大好きないちごがこぼれんばかりに乗った
ものすごく大きなバースデーケーキ。
来年からしばらく「オテル・ドゥ・ミクニ」のケーキが食べれないのは残念だが、
このケーキの味を忘れず、心に刻んでおこうと思う。
いつかまた笑顔で三國シェフやスタッフの皆さんと会えるといいな。
本当に37年間お疲れ様でした!
素敵なフレンチをありがとうございました!!



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by meshi-quest
| 2022-10-19 08:08
| 四谷