代々木上原「Celaravird セララバアド」へ行く。
春夏秋冬で必ずお邪魔している大好きなイノベーティブフュージョン「Celaravird セララバアド」で冬のコース。
いつものように橋本シェフ目の前のカウンター2名だけの特別席、シェフズテーブルへ。
2024年の冬のメニューは、なんと点字。
実際のメニューの詳細はカード後ろのQRコードで見れるようになっているが、
点字を指で触ることで、点字が分からなくてもメニューの雰囲気を少しだけ肌で感じて欲しいということで、あえてメニューの中には文字を出さない仕様。
まず1品目は「樹氷コットン」というアミューズから。冬コースの定番のスターター。
枝に見立てたグリッシーニに塩漬けした生ハムを巻きつけ、
綿に見立てた綿菓子の中にはキャラメリゼされたスパイスナッツが入ってる。
1つが食べれる綿で、もう1つが食べられない綿。
2品目は、これも冬の定番の「毛玉」。
細かい毛玉のようなビーツのフライに真っ赤なビーツの粉。
中には根セロリと西洋ワサビのクリームが入っている。
中には根セロリと西洋ワサビのクリームが入っている。
見た目以上に繊細な毛玉で、すごーく注意して持たないとボロッと崩れる。
ノンアルペアリングを注文。
合わせるドリンクは福岡・八女の玉露スパークリング。
炭酸が苦手なので、炭酸を抜いてもらったので、これはアイス八女玉露ティー。
3品目も冬の定番になっている、見た目もそのまんまの「林檎」。
目の前で大量の林檎が並ぶ姿は圧巻。
食べられるのは中の芯の部分で、マンチェゴチーズを林檎のシートで巻いて凍らせたアイスのような芯が入ってる。
合わせるドリンクは、林檎ジュースにカルダモンと乳清を加えたもの。
めちゃくちゃ美味しい大人のジュースという感じ。
4品目は冬の「セララバアド」の名物「食べられる折り鶴」。
昨年までは鶴の形だったのだが、今回の冬コースから平和を願って鳩に変更したのだそう。
世の中的にも戦争や災害があり、日本も新年から能登半島の地震や飛行機事故があり、ここのところ悲しいニュースが多い。
根セロリ薄く伸ばして紙のようにし、それを丁寧に折った食べられる折り鳩と、土台には白レバームースとレーズン。
平和の象徴を持つかわいい女の子の手は、橋本シェフの娘さんの手の写真。
国産小麦と天然酵母を使った絶品自家製パン。
温かいうちが香りも上がって、特に美味しくて、気が付く食べ続けてしまい、無くなってるw。
5品目は、これも冬コースの定番になってる「冬の大地」。
白ニンジンとブラックオリーブと発酵バターで、冬の大地を再現し、その上に、冬の根菜たちのソテーを植えている。
かわいい上に、すごく美味しい一品。
これも毎回「冬の大地」を食べる度に思うこととして、野菜もさることながら、何より「土」が甘くて美味しい(笑)。
合わせるドリンクは、イエロービーツと生姜の根菜ドリンク。
6品目は、白子と蟹と白菜のスープ仕立て。
どぶろくで作った酒粕のような甘味の温まるスープに、白子のソテーと、蟹身が入ったロール白菜。
上の葉も乾燥させた白菜のチップ。
スープがものすごく好みの味で、とても美味しかった!
合わせるドリンクは、熊笹とマーガオと花梨のお茶。
7品目は、目の前で瞬間スモークしてくれる紀州鴨のロースト。
もも肉とむね肉と、付け合わせは海老芋とくるみのピューレと金柑。
合わせるドリンクは、みかんスパークリング。
炭酸苦手なので無しにしてもらったが、カモミールの香りがする美味しいみかんジュースで、十分美味しい。個人的にとても好き。
8品目は、今年の冬コースからの初の試みとなる魚介たっぷりの大鍋サルスエラ。
「サルスエラ」は魚介をサフランで煮込んだスペイン料理。
いつもの「セララバアド」だと、個別提供料理、かつ、最後は肉料理なのだが、
橋本シェフが冬はみんなで大鍋で作った温かい魚介料理を食べて欲しいと、いつもと違った形での提供。
オマール海老、たら、ハマグリ、ムール貝など、旨味がスープにしっかり溶け込み、食べ応えもある、とても美味しい煮込みだった。
9品目は、先ほどのサルスエラの美味しい出汁を作って作る大麦のリゾット「カルドッソ」。
スープがものすごく美味しいので、大麦とも相性抜群。
10品目のデザートは、「カカオ対照」という不思議な名前で、テーマが繋がっている。
まずは、カカオを冷たく大きく軽く薄くしたデザートから。
本当にフワフワなエアかき氷で、一瞬で無くなってしまう感じ。
11品目は小菓子の詰め合わせ。
冬のガラス窓をイメージした曇ったガラスを手でぬぐうと、ガラスの下から小菓子が見えてくる。
小菓子は、ピスタチオとフランボワーズのツリータルト、パチパチするオランジェットチョコ、シーリングスタンプのようなラズベリーチョコ、
エルダーフラワーのエキスを球化させた中に銀や雪の結晶が舞うスノードームの4種。
食後は、一煎目と二煎目の香りや味や色の違いを楽しむハンドドリップの日本茶。
鹿児島の「つゆひかり」と高知の「やぶきた」のミックス。
本当に1つ1つの料理が繊細で細やかで、1つのお皿の上に本来は別々にいくつか単品でも料理になるくらいのものが乗っている。
「セララバアド」はもちろん橋本シェフの美味しい料理を食べたくて来ているのだが、
何とか言うか食べられる博物館に食の勉強に来ている感じでもあり、食べられる研究所で食の実験をしている感じでもあり、
特に、サーカスを見ている感じでもあり、大自然を旅している感じでもあり、
1回の料理でこんなにも色んな体験をさせてもらえて、心も頭も豊かになれるレストランはなかなかない。
ひとえにシェフのセンスだし、シェフのセンス、シェフの想像力や世界観をいただいている気分。
こんな手間かかることを杓子定規にビジネスでやろうとしたらきっと採算も合わないし、できない。
シェフの信念というか、好きだからやられてるのだと思うし、好きの力は何よりも強い。
だから私も好きだし、だからずっと通わせてもらってるのだと思う。
いつも応援ありがとうございます。
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by meshi-quest
| 2024-02-29 08:08
| 小田急線その他