早稲田「旧雨(キュウウ)」へ行く。
大好きでよく通っていた新宿御苑前にあった薬膳中華料理の名店「古月」が早稲田に移転をし、薬膳中華料理店「旧雨」(キュウウ)としてリニューアルオープン。
当時の「古月」の時の中華も素晴らしかったが、さらにそれを超えて「旧雨」になった前田シェフのお料理が素晴らしく、毎月定期的にお邪魔させてもらっている。
おまかせコースの1品目は、「新じゃがのチリソース黒造り」から。
新じゃがいもとスミイカを、スミイカの肝と共に黒いピリ辛チリソースで和えたもの。
一緒に付いているのは小さな蒸しパン。
2品目は、「たいの酢〆 鹹蛋(シエンタン)まぶし」。
鹹蛋(シエンタン)とは、中華でよく使われるアヒルの卵の塩漬け。
香り良い黒酢で〆た鯛に、たっぷりの 鹹蛋に、下には独活の甘酢漬け。
黒酢は結構強い酢ではあるが、前田シェフのものすごいセンスとバランスで出来ていて、酸味は抑えて、黒酢の香りの良いところだけが活かされている感じ。
鮨屋さんでも、日本料理店でもない、ちゃんと中華ならではの美味しい酢〆になってて、絶品だった。
3品目は、鶏のレバーの茶碗蒸し。
濃厚な鶏レバーの茶碗蒸しに、上は枸杞(クコ)の新芽を餡かけにしたもの。
枸杞の新芽は初めていただいたが、大葉ほどではい優しい清涼感のある葉物で、優しい餡かけにもよく合っていた。
4品目は、ヒラメの素揚げ。
骨まで食べられるほどに高温でカリッと素揚げしたヒラメに、葱たっぷりで甘辛の油淋ソースを掛けたもの。
油淋ソースはまろやかで、舌疲れしないような味わい。
5品目は、中国政府公認の「高級営養薬膳師」資格を持つ前田シェフのスペシャリテ「養生スープ」の春バージョン。
薬膳的なテーマは、「血を巡らせる」というもの。
この日の具材は、たこ、豚肉、ナツメ、レンコンなどが入っていて、ほぼ材料と水だけで旨味を引き出しているすごい料理。
前回お邪魔した時はビーツを使った養生スープで、具材によって当然味わいというか、味のバランスが変わるのだが、今日の養生スープはめちゃくちゃ好みの味だった。
6品目は、コースにはないが、追加注文が出来る「ふかひれの土鍋仕立て」(150g12,000円)。
よくあるフカヒレは醤油の姿煮込みが多いと思うが、前田シェフが作るフカヒレは魚介出汁でフカヒレを煮て、青海苔の白湯でいただく特製フカヒレ。
旨味はしっかりしてるのに、舌疲れしないというか、さっぱりいただける北京スタイルのフカヒレになっている。
薬膳的にもフカヒレは肺を丈夫にし、青海苔は痰を切ると言われているそうで、風邪が流行っている時期に出しているのだそう。
フカヒレもめちゃくちゃ大きくて、半円型のフカヒレは見た目の美しさとのバーターで繊維も短く、値段も高いが、あえて半円のフカヒレを使わないことで、大きくて繊維も長く美味しいフカヒレを大きく提供している。
今までいただいたフカヒレ料理のNo.1かもしれない。
一度このスタイルのフカヒレを知ってしまうと、いつもの醤油バージョンに戻れない感じ。
7品目は、芝えびと蕗の薹の春巻。
まさに「春を巻く」春らしい春巻。ソースは柚子胡椒を伸ばしたもの。
8品目は、コースにはない追加メニューで、前田シェフのご出身である新潟県の地産野菜「薹菜(とうな)」を使った饅頭(1個350円)。
小松菜のような味わいで、クセが無く、とても食べやすい野菜肉まんという感じ。
9品目もコースにはない追加メニューで、湘南ゴールドと新玉ねぎの焼売(1個350円)。
元々、焼売は大好きなのだが、前回お邪魔した時にもこの焼売をいただき、新玉ねぎの甘味、豚肉の旨味に、爽やかな湘南ゴールドの柑橘の風味がよく合ってて、ハマっている。
10品目は、豚すね肉の醤油煮込み。
コラーゲンたっぷりのプリプリの豚すね肉だが、脂っこさもあるので、その脂を感じさせないために、練り胡麻を入れている。
この胡麻がいい仕事をしていて、胡麻の風味とすね肉がものすごく合ってた。
11品目は、コースにはないが追加注文ができる前田シェフのスペシャリテ、麻辣豆腐(2200円)。
牛肉の旨味がしっかり効いている、すごく美味しい麻辣。
ちなみに、私は辛いのが苦手なので、麻辣(唐辛子の辛さと花山椒の痺れ)は半分くらいに減らしてもらっている。私にちょうどいい感じ。
麻辣豆腐は個人的にご飯必須なので(麻辣もカレーもご飯ないと食べれない派)、ご飯を大盛でもらった。
ご飯があると無限に食べれてしまいそうなくらい美味しい!
12品目は、コースにはないが追加注文できるスッポンのスープ(1000円)。
洋食の上品なコンソメスープかと思うくらい、旨味が凝縮されたクリアなスッポンスープ。
前田シェフのお師匠さんがスッポンのスープを得意とされていたらしく、中華料理というより、お師匠さんの独自の技術だそう。
13品目は、ヒラメの卵と、蕗と、干し貝柱の和え麺。
目の前で提供直前に作ってくれる自家製麺に、干し貝柱のXO醤の和え麺を食べているかのうな、旨味が爆発している麺料理。
実は元々は和え麺があまり好きでは無くて、他では積極的に食べたりはしないのだが、今まで私が食べた和え麺の中で確実にNo.1の和え麺だった。絶品。すごいなあ、前田シェフ。
14品目は、いちごと、そら豆の葛餅と、甘酒のデザート。
いちごは金木犀のジャムでマリネをしたもの。
今日のコースもものすごく美味しくて、私の人生のNo.1料理がバンバン更新された日だった。
特に、今まで好きじゃなかったものとか、食べれなかったものが、美味しく感じられて、食べられるようになる経験をさせてもらえるのは、本当に感謝しかない。前田シェフ、すごい。
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by meshi-quest
| 2024-05-14 08:08
| 東西線その他