赤坂「赤坂 おぎ乃」へ行く。
懇意にさせていただいている予約の取れない日本料理店の名店「赤坂おぎ乃」にて、
今宵も大将荻野さんの季節感溢れる芸術的なお料理をいただく。
水無月(6月)のテーマは、「夏越の祓」(なごしのはらえ)。
「夏越の祓」は、一年の折り返しになる6月30日に無病息災を祈るもので、
「茅の輪」(ちのわ)という茅(チガヤ、イネ科植物)で作られた大きな輪っかが神社に現れ、
それを八の字でくぐることで、災厄を祓う行事が行われる。
さすがにお店で茅の輪をくぐることはできないので、荻野さんが用意してくれたミニ茅の輪に手を通して、盃を取り、茅の輪くぐりを体験する。
迎い酒は、赤紫蘇と柚子のジュース。
1品目は、甘いトウモロコシ「ゴールドラッシュ」のすり流し。
下には枝豆のくず豆腐と、上には北海道のムラサキウニ。
日本酒は「十四代 本丸 秘伝玉返し」をいただく。口開けだったのだが、すごくフレッシュで、飲みやすく、とても美味しかった。
2品目は、車海老と夏野菜の和え物。
サッと湯がいた車海老と夏野菜を、油は使わず、すだちとわさびと醤油でサッと和えたもの。
氷のように見える透明なものはトマトの透明なジュレ。
3品目は、削りたての鰹節の一番出汁を使った「おぎ乃」さん自慢の絶品椀。
水無月のお椀は、毛蟹の蟹真薯。めちゃくちゃ甘くて美味しい!
芋茎(ずいき)と生キクラゲの組み合わせ。
芋茎の上の花は、この時期だけ見られる柚子の花。小さくても、ちゃんと柚子の香りがする。
4品目のお造り、まずは愛媛の名漁師・藤本純一さんが丁寧に血抜きをされたシロアマダイ、通称「シラカワ」と、大将荻野さんが丁寧に細工包丁をほどこして甘味を引き出したアオリイカから。
続いて、夏の到来を感じさせる出始めの天草のブランドハモ「黄金ハモ」。旨味が強く、味が濃いのが特徴。
荻野さんが目の前で丁寧に骨切りをしてくれる。ハモの骨切りのギリッギリッという音を日本料理屋さんで聞くと、「ああ、夏が来たな」という気がする。
ちなみに、よくある和食屋さんではハモは冷水に浸して湯引きをするところが多いが、「おぎ乃」さんではハモは温かい方が美味しいとして、冷水に付けずに、温かいまま出してくれる。
ハモもさることながら、荻野さんの梅肉ソースが絶品で、酸味が抑えられて、これだけで食べれるくらい美味しい。
最後は、皮目に備長炭で香り付けをした夏のカツオ。
自家製の玉ねぎ酢醤油がしっかりと赤身の旨味を持っているカツオとすごく合う。
5品目は、初夏の名物「鮑素麺」。
黒鮑のクリーミーなすり流しに、高級三輪素麺「神杉」の組み合わせ。
毎年この時期のお楽しみ。素麺史上、一番贅沢な素麺なのではないかと思う。めちゃくちゃ美味しい!
6品目は、名物のジオラマのような八寸。
水無月(6月)のテーマは、「夏の始まり」「初夏の情景」にちなんで、涼しげないかだの上に料理が乗っている。
この時期に見られる花が付いた青紅葉も初夏を感じさせる。
八寸の中身は・・・
・煮穴子と新じゃがいも餅
・但馬牛のひうちの炙り すき焼き風
・フルーツトマトとじゅん菜のお浸し
・たいら貝と炒り立ての胡麻和え
・たことあずきのやわらか煮
・能登の岩もずく
・アボカドの白和え
・シルクスイートの焼き芋天ぷら
7品目は、初夏の名物の天竜川の鮎。
付け合わせはきゅうりの緑酢、下に敷かれているのは苦みがある蓼(たで)の葉。
荻野さんの抜群の炭焼き技術で、頭、身、尻尾で焼き方を変えていて、それぞれの部位の美味しさを楽しめる。
実は、鮎はあまり得意ではないのだが、「おぎ乃」さんのところの鮎は川魚のクセがまるでなく、美味しくて食べれる。
8品目は、太刀魚の天ぷらと賀茂なす。
旨味が強い太刀魚に、トロトロの賀茂なすと、優しい出汁がすごく合う。
9品目は、〆のご飯。
皮がパリパリで、中はふっくらの相変わらずの絶品鰻。
もう1つはキンキと、トウモロコシ「ゴールドラッシュ」と、万願寺唐辛子の炊き込みご飯。
キンキの脂がバターのような濃厚な風味になり、トウモロコシと合わさって、バターコーンのようなご飯になる。絶品。
「おぎ乃」さんではご飯のお代わりが出来て、上記の炊き込みご飯の他、卵かけご飯、自家製カラスミ、自家製ゴボウのきんぴらなど、いろんなご飯のおかずが用意されている。
・・・が、最近の私は「白飯&塩」がマイブームで、せっかくある豪華なおかずをトッピングしないという(笑)、かなりマニアックなお代わりをしている。
炊き立ての白飯はやっぱり美味しいなあ!
ご一緒した方が頼んだお代わりの全部乗せと、夏の時期だけ本鮪のづけの代わりに出している特製鯛梅茶漬け。
10品目は、つるべの中に入った水無月限定の「水無月豆腐」。「つるべ」は水を汲む昔の道具。
「水無月豆腐」はその昔、氷が高かった頃に暑い夏を越すために、氷に見立てた胡麻葛豆腐を食べたことから出来た和菓子。
11品目は、静岡浜松の最高級メロン「天使音(あまね)マスクメロン」。
メロンは大好きで色んなところでいただいてきたが、遠くで切ってる時からもう酔いそうないい香りがして、食べてもとてつもなく上品な甘さを感じる「天使音マスクメロン」が私のNo.1メロン。
自家製のココナッツのアイスと共に。
見た目にも、香りや味からも初夏への移り変わりを体験できるような素晴らしいコースだった。
いつも応援ありがとうございます。
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by meshi-quest
| 2024-06-27 08:08
| 六本木・麻布・赤坂