赤坂「赤坂 おぎ乃」へ行く。
懇意にさせていただいている予約困難な日本料理店の名店「赤坂おぎ乃」にて、今宵も大将荻野さんの季節感溢れる芸術的なお料理をいただく。
ミシュランと並ぶフランスのグルメ誌「ゴ・エ・ミヨ」にも連続掲載されており、2025年も受賞されている。
水無月(6月)のテーマは、「夏越の祓」(なごしのはらえ)。
「夏越の祓」は、一年の折り返しになる6月30日に無病息災を祈るもので、「茅の輪」(ちのわ)という茅(チガヤ、イネ科植物)で作られた大きな輪っかが神社に現れ、それを八の字でくぐることで、災厄を祓う行事が行われる。
さすがにお店で茅の輪をくぐることはできないので、荻野さんが用意してくれたミニ茅の輪に手を通して、盃を取り、茅の輪くぐりを体験する。
迎い酒は、葡萄のジュース。お猪口がかわいくて、雨期の時期に合わせて傘の形になっている。
1品目は、甘いトウモロコシ「ゴールドラッシュ」のすり流し。
下には枝豆のくず豆腐と、上には北海道積丹の塩水ウニ。
2品目は、車海老と夏野菜の和え物。
サッと湯がいた車海老と、焼き茄子、スナップエンドウ、ヤングコーンなどの夏野菜を、油は使わず、すだちとわさびと醤油でサッと和えたもの。
氷に見立てた透明なものはトマトの透明なジュレで作ったもの。
3品目は、削りたての鰹節の一番出汁を使った「おぎ乃」さん自慢の絶品椀。
中は愛媛の名漁師・藤本純一さんの高級白身魚シロアマダイ、通称「シラカワ」と、冬瓜と、じゅん菜。
4品目のお造り、まずは愛媛の名漁師・藤本純一さんが丁寧に血抜きをされたイサキと、大将荻野さんが丁寧に細工包丁をほどこして甘味を引き出したアオリイカから。上に乗っているのはきゅうりの子供。
続いて、皮をサッと藁で焼いた初カツオ。
自家製の玉ねぎ酢醤油が濃厚なカツオの赤身の旨味とすごく合う。
最後は、夏の到来を感じさせる出始めの天草のブランドハモ「黄金ハモ」。旨味が強く、味が濃いのが特徴。
荻野さんが目の前で丁寧に骨切りをしてくれる。ハモの骨切りのギリッギリッという音を日本料理屋さんで聞くと、「ああ、夏が来たな」という気がする。
ちなみに、よくある和食屋さんではハモは冷水に浸して湯引きをするところが多いが、「おぎ乃」さんではハモは温かい方が美味しいとして、冷水に付けずに、温かいまま出してくれる。私もハモは温かい方が甘くて香りもあって美味しいと思う。
ハモもさることながら、荻野さんの梅肉ソースが絶品で、酸味が抑えられて、これだけで食べれるくらい美味しい。
5品目は、初夏の名物「鮑素麺」。
黒鮑のクリーミーなすり流しに、高級三輪素麺「神杉」の組み合わせ。鮑を擦る料理なんて日本料理屋さんでもなかなか見かけないが、鮑は昆布を食べて育つので、擦ると粘り気が出てきて、麺によく絡む。
毎年この時期のお楽しみ。個人的に素麺のNo.1。一番贅沢な素麺なのではないかと思う。めちゃくちゃ美味しい!
八寸の中身は・・・
・徳島県阿波華牛のひうちの焼きしゃぶ
・愛知の完熟フルーツトマトとじゅん菜のお浸し
・メヒカリのおかき粉揚げ
・たことあずきのやわらか煮
・生湯葉のカツオのべっ甲餡
・シルクスイートの焼き芋天ぷら
7品目は、初夏の名物の天竜川の鮎。
付け合わせはきゅうりの緑酢、下に敷かれているのは苦みがある蓼(たで)の葉。
荻野さんの抜群の炭焼き技術で、鮎自身から出る脂を調整して頭、身、尻尾で焼き方を変えていて、「焼き」「干物」「揚」げとそれぞれの部位の美味しさを楽しめる。
実は、鮎はあまり得意ではないのだが、「おぎ乃」さんのところの鮎は川魚のクセがまるでなく、美味しくて食べれる。
8品目は、太刀魚の天ぷらと、賀茂茄子と、花ズッキーニの毛蟹真薯。
旨味が強い太刀魚に、トロトロの賀茂なすと、優しい出汁がすごく合う。
すごく特徴的だったのは花ズッキーニ。この時期の風物詩として、イタリアンやフレンチではよく花ズッキーニが使われるが、日本料理店で花ズッキーニを出してくれたのは「おぎ乃」さんが初めてかもしれない。日本料理でもちゃんと花ズッキーニが美味しく使えて、料理に馴染むことを知った。
9品目は、〆のご飯。
皮がパリパリで、中はふっくらの相変わらずの絶品鰻。
もう1つはキンキと、トウモロコシ「ゴールドラッシュ」と、万願寺唐辛子の炊き込みご飯。
キンキの脂がバターのような濃厚な風味になり、トウモロコシと合わさって、バターコーンのようなご飯になる。絶品。
「おぎ乃」さんではご飯のお代わりが出来て、上記の炊き込みご飯の他、卵かけご飯、自家製カラスミ、自家製ゴボウのきんぴらなど、いろんなご飯のおかずが用意されている。
・・・が、最近の私は「白飯&塩」がマイブームで、せっかくある豪華なおかずをトッピングしないという(笑)、かなりマニアックなお代わりをしている。
炊き立ての白飯はやっぱり美味しいなあ!
いつもは「白飯&塩」で十分なのだが、なんかこの日はやたらお腹が空いており、愛媛の名漁師・藤本純一さんのシラス、本鮪づけ、新鮮な卵黄を合わせたご飯もお代わりさせてもらった。大満足。
10品目は、つるべの中に入った水無月限定の「水無月豆腐」。「つるべ」は水を汲む昔の道具。
「水無月豆腐」はその昔、氷が高かった頃に暑い夏を越すために、氷に見立てた胡麻葛豆腐を食べたことから出来た和菓子。
11品目は、静岡浜松の最高級メロン「天使音(あまね)マスクメロン」。
メロンは大好きで色んなところでいただいてきたが、遠くで切ってる時からもう酔いそうないい香りがして、食べてもとてつもなく上品な甘さを感じる「天使音マスクメロン」が私のNo.1メロン。自家製のココナッツミルクアイスと共に。
今年は6月から東京も36度超えの異常な暑さで、どんどん日本の季節感が無くなってきている気がするが、「おぎ乃」さんの毎月の素敵なお料理が私に季節を感じさせてくれて、癒される。
いつも応援ありがとうございます。
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by meshi-quest
| 2025-06-27 08:07
| 六本木・麻布・赤坂




























































