神宮丸太町「cenci (チェンチ)」へ行く。
懇意にさせていただいているミシュラン1つ星の予約の取れない京都イタリアンの名店「cenci」(チェンチ)でディナー。
「cenci」は京都屈指の予約困難店で、通常のテーブル席は予約で常に埋まっているのだが、オーナーシェフの坂本さんのお友達や常連さんのためにキッチンに近いところに数席だけカウンター席が用意されており、そこは1人でもお邪魔出来るので、いつもそちらに座らせていただく。シェフとも近い距離で話が出来るので、嬉しい席。
まずは、カルダモンやレモンマートルなどのハーブを使った胃を温めるためのウェルカムハーブティーから。
1品目は、北海道の雲丹、わかひじき、賀茂なすの素揚げの前菜。
スープはグリーントマトときゅうりとじゅんさい。色んな食材が混在してるのに、すごくバランスが良くて、しっかり1つの前菜としてまとまってて、すごく美味しかった。特にグリーントマトときゅうりのスープは青臭くなりやすい組み合わせなのに、トマトときゅうりの青さの良いところだけが出ているような味わいで驚いた。
いつも私に対応してくださるソムリエさんがサラッと出してくれた赤ワインがまたもめちゃくちゃ美味しかった。
「またも」というのも、飲み幅が超狭い私に、色んなお店のソムリエさんが挑戦してくださり、結局飲めなくてごめんなさいをしてきた中、前回「cenci」にお邪魔した時もものすごくドンピシャの大好きな赤ワインを的中させてくださった上、今回もさらにそれを上回ってくるような美味しさだった。
干し葡萄のような濃厚な旨味に、梅のような華やかな香りがある。幸せになるワインだった。
自分で言うのも何だけど、私がめちゃくちゃ好き嫌い、飲める飲めないもハッキリしてて、飲み幅が狭いので、きっとすごく考えて探してくださったんだと思うのだけど、そんな素振りも見せずにサラッと出してくれるのが本当に素晴らしい。変な言い方だけど、毎回、本当にプロのソムリエさんだなあと思う。
合わせていただいた鳳凰単叢蜜蘭香の水出しもとても美味しかった。ちょっと前に、とあるレストランのティーペアリングで、かなりの値段なのに残念な香りと時間の経ったような輪郭のない味の鳳凰単叢蜜蘭香の水出し茶を飲んだ後だっただけに(泣)、差が明確で、余計に感激。
2品目は、岐阜県の日本人唯一の公認パルマハム職人である多田昌豊さんが作る24ヶ月熟成の生ハム「ペルシュウ」と、米で作ったドーサ(インドのクレープ料理)の前菜。
ドーサの中には、カルダモンをしっかり効かせた岡山県吉田牧場さんのリコッタチーズと新潟県の枝豆。
3品目は、サゴシの前菜。
きゅうりと木の芽のペースト、下には坂本オーナーシェフのお友達のパン屋さんが作っているほのかな酸味のあるサワードゥ(小麦粉やライ麦粉と水を混ぜて、自然発酵させた伝統的な天然酵母)、ディル、大葉、ハッカ、新生姜のピクルス、ナスタチューム、ソースは新生姜のピクルス液、ホワイトバルサミコ、鮎の魚醤。
4品目は、宮城県の伝助穴子の前菜。
焼いた伝助穴子に、焼き茄子、糸瓜、伏見唐辛子、フェンネルの花。ソースはトマトの塩麹、パプリカ、鰹節を合わせたもの。
5品目は、埼玉県の鶉(うすら)の一皿。
鶉のもも肉とむね肉を使って、レンコンなどを中に詰めて、沖縄の餅きびや北海道のとうもろこし、うすらと鶏の出汁にどぶろくから作ったお酢などを合わせたスープ、カカオと京丹後の赤酢を合わせたソースなど。
6品目は、「cenci」のコースの中に必ず1品入る動物性を使わないヴィーガン料理。
ズッキーニ、アスパラガス、湯葉のクリームソース、上には花ズッキーニのフリット。動物性を一切使っていないのに、しっかりと味わいがあって、食べ応えもある。
7品目は、北海道の蝦夷鹿。
付け合わせはビーツとルバーブとブッシュバジル、ソースはスモモのソース、レモンバーベナのオイル、黒ニンニク&メキシコの唐辛子&ブルーベリーのソース。
8品目は、エストラゴンと和えたメロンとカモミールの口直しのグラニテ。
9品目は、ハタを使った全粒粉の自家製タリオリーニ。
ジェノヴェーゼはバジルではなくマリーゴールドを使ってて、中に入ってる荏胡麻やきゅうりとも相性良く、香りが華やかですごく美味しかった。
10品目は、希望者だけ+3000円で追加可能なスペシャルリゾット。
この日はさらにスペシャルで坂本シェフがこの日のメニューに出していない天然キノコを使ったキノコのリゾットを特別に作ってくれた!
北海道のタマゴダケと、和歌山のアカヤマドリダケ(ジロール茸)を鶏出汁と、ほんの少しの塩で作ったキノコを楽しむリゾット。
天然キノコの風味が力強く、このリゾットの黄色もサフランではなく天然キノコから出てきている色だそう。
11品目は、ココナッツミルクで作る台湾の「豆花」と、マンゴー、パイナップルとコブミカンのアイス、バニラとマーガオのミルクセーキの爽やかなデザート。
12品目は、ホワイトチョコとリコッタチーズの軽やかなセミフレッドに、桃のスープ、ジャスミンのミルクアイス、完熟梅のソースの組み合わせ。ものすごく良い香りが口いっぱいに広がり、大好きな組み合わせでとても美味しかった。
最後は特別に出してもらった奈良県の天日干しで作られている「香駿」と、「cenci チェンチ」。
ドリンクに付いてくるイタリア・トスカーナ地方のパスタのお菓子の名前が店名と同じ「cenci」という。
「cenci」さんにはいつも行く度に感動や驚きをもらえて、この日も本当に美味しく楽しく、そして勉強になった。その時、その季節で、プロにしか出せない世界。外食の醍醐味を感じる。外食って素晴らしいと改めて思わせてくれるお店。
■「cenci (チェンチ)」
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by meshi-quest
| 2025-10-03 08:07
| 京都




































