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赤坂「赤坂 おぎ乃」へ行く。











懇意にさせていただいている予約困難な日本料理店の名店「赤坂おぎ乃」にて、今宵も大将荻野さんの季節感溢れる芸術的なお料理をいただく。


ミシュランと並ぶフランスのグルメ誌「ゴ・エ・ミヨ」にも連続掲載されており、2025年も受賞されている。


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神無月(10月)のテーマは、「重陽の節句」


重陽の節句は、中国の陰陽道で奇数が縁起の良い「陽」の数字の中でも最も大きい「9」が重なる日を「重陽」として、9月9日に無病息災を祈ってお祝いをするイベント。日付としては9月なのだが、本来は旧暦の10月くらいの寒くなってきた時に行われるものだそうで、10月のテーマとしているのだそう。


重陽の節句では、邪気を祓うために毒消しとなる菊の花を用いる。  


迎い酒は、早瀬浦の特別純米酒「夜長月」を菊花が入った盃でいただく。


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1品目は、重陽の節句の菊の花があしらわれた前菜。


前菜の上には、「着せ綿」が乗っている。「着せ綿」とは重陽の節句に行われた、菊の花に真綿をかぶせ、翌朝の朝露と香りを移して、その綿で身を清めて長寿を願う風習で使ったもの。


お料理自体はその下の器にあり、柔らかく煮た対馬の煮穴子、金沢「魂のれんこん」蕎麦の実のべっ甲餡。


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2品目は、秋のご馳走を全て詰め込んだという1皿。


熊本のアカウニ、北海道のイクラ、噴火湾の毛蟹、天草の車海老、ほうれん草、山えのきなど。


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3品目は、削りたての鰹節の一番出汁を使った「おぎ乃」さん自慢の絶品椀。


愛媛の名漁師・藤本純一さんの高級白身・シロアマダイ、通称「シラカワ」と、松茸と、かぶらと、菊団子。削り立ての鰹節と松茸の風味と旨味に、味変で菊団子を溶かすと、菊の香りが広がり、華やかなお椀になる。


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4品目のお造り、まずはお月見の盆に乗った三重のトロサワラから。


ウサギの器には、タラの白子醤油が入っていて、サワラをお好みで付けていただく。


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続いて、備長炭で香り付けをした厚岸の本鮪


上からは黄身醤油山芋海苔の佃煮


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5品目は、松茸にえばな


ご飯が炊き上がるちょっと前の、少し水分がある一番甘いご飯の状態に松茸を入れて、サッと蒸して、塩だけで味付けしたもの。


松茸本来の味や香りが楽しめる、一番贅沢に松茸を味わえるご飯。


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6品目は、愛媛の名漁師・藤本純一さんのノドグロの味噌幽庵焼き。


下には蒸しをたっぷりと削ったもの、上には舞茸の素揚げと、付け合わせには黒無花果


味噌の風味と、栗の甘味がすごくよく合っている。


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7品目は、名物のジオラマのような八寸


神無月(10月)のテーマは、「紅葉」。いかだの上に、小さな小鉢の八寸料理と、秋の野花や紅葉が飾られ、いかだに乗って紅葉の川を下っているかのような情景を表したもの。


大きな雪洞(ぼんぼり)は、実は大根で出来ていて、「おぎ乃」さんの八寸の春と秋に出てくる名物。


大根の葉脈が透けている様が、まるで綺麗な和紙のように見える。


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八寸の中身は・・・


あいちのすき焼き風


・満月に見立てたスッポンの茶碗蒸し


真蛸のあずき煮


の白和え


つぶ貝の胡麻肝醤油和え


・熊本の赤なすと丹波の黒豆のずんだ和え


シルクスイートの焼き芋天ぷら


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8品目は、とろなすを挟んだ太刀魚の天ぷら。上には香茸の香り良い餡かけ。


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9品目は、「鱧松」の煮物。


名残りの鱧と、出始めの松茸が重なるほんの一瞬の旨味と香りの贅沢料理。


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10品目は、〆のご飯。


まずは、名物の大将荻野さんが炭焼きしてくれるの蒲焼の鰻ご飯


皮がパリパリで、中はふっくらの相変わらずの絶品鰻。


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続いて、炭火焼きの秋鮭いくらと、たっぷりのキノコの炊き込みご飯。


炭の香ばしい香りと、キノコや鮭やいくらの旨味がたまらないクセになる味。


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「おぎ乃」さんではご飯のお代わりが出来て、上記の炊き込みご飯の他、卵かけご飯、自家製カラスミ、自家製ゴボウのきんぴらなど、いろんなご飯のおかずが用意されている。


この日は、鱧松の煮物の出汁があり、神無月コース限定で鱧松雑炊も選べたので、旨味と香りの雑炊をいただく。


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11品目は、「おぎ乃」特製あんみつ


大納言の自家製あんこ、ほうじ茶寒天、黒無花果に、上からお餅のソース。


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12品目は、「つくば」という東京で育てられている栗を使った栗のアイス


上からたっぷりと蒸し栗を削ったものが掛かっている。


この日も秋の味覚満載のとても美味しい「おぎ乃」さん料理だった。


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プロフィール
ゲームプロデューサー
成沢 理恵
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」シリーズで知られる㈱スクウェア・エニックスを経て、 現在、ちゅらっぷす株式会社取締役、兼、ゲームプロデューサー。

ヒマさえあれば、国内、海外を食べ歩き、遊び歩く、生粋の遊び人。

その経験は、ゲームづくりにも活かされている、はず……。
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